2008年度 医学部 保健学科 放射線技術科学専攻 学部課程 保健学科.放射線技術科学専攻 — [必修] 2年

放射線生物学

Radiation Biology

教授・前澤 博

1単位

目的

放射線が生物に与える影響について理解することを目的とする.放射線治療学や放射線防護の基礎となる学習として理解する.

概要

放射線生物学的初期過程の分子機構,細胞や人体への放射線の作用および作用を修飾する因子,放射線障害からの回復,遺伝的影響,温熱効果などについて講義する.

キーワード

放射線初期過程,線量生存率曲線,放射線損傷回復,DNA損傷,放射線障害,放射線治療

目標

1.放射線作用の初期過程を理解し説明できる.
2.放射線損傷のメカニズムを理解し説明できる.
3.生存率曲線の生物学的意味を理解し説明できる.
4.突然変異,染色体異常の生成について理解し説明できる.
5.組織·個体レベルでの損傷について理解し説明できる.
6.放射線による発癌,遺伝的影響の特徴について理解し説明できる.
7.放射線治療の基礎的知識を理解し説明できる.

計画

1.放射線生物学の基礎的事項(1)
2.放射線生物学の基礎的事項(2)
3.放射線生物作用の初期過程,単位,用語(1)
4.放射線生物作用の初期過程,単位,用語(2)
5.放射線による細胞死と生存率曲線(1) 標的理論
6.放射線による細胞死と生存率曲線(2) 標的理論
7.放射線による細胞死と生存率曲線(3) LQモデル
8.放射線による細胞死と生存率曲線(4) LQモデル
9.放射線による細胞死と生存率曲線(5) SLD回復
10.放射線による細胞死と生存率曲線(6) PLD回復,適応応答
11.細胞死の修飾因子・LETとOER
12.突然変異
13.染色体異常
14.小試験
15.組織レベルでの放射線影響(1)組織の種類,性質
16.組織レベルでの放射線影響(2)各種臓器
17.組織レベルでの放射線影響(3)各種臓器
18.個体レベルでの放射線影響(1)
19.個体レベルでの放射線影響(2)
20.個体レベルでの放射線影響(3)
21.個体レベルでの放射線影響(4)
22.放射線による発癌と遺伝的影響(1)
23.放射線による発癌と遺伝的影響(2)
24.腫瘍の放射線生物学(1) 腫瘍コード
25.腫瘍の放射線生物学(2) 分割照射,LQモデル
26.腫瘍の放射線生物学(3) 分割照射,4R
27.腫瘍の放射線生物学(4) 腫瘍の増殖,治療可能比
28.腫瘍の放射線生物学(5) 温熱による細胞死
29.腫瘍の放射線生物学(6) 温熱による腫瘍増殖抑制
30.放射線生物学の重要事項まとめ(1)
31.放射線生物学の重要事項まとめ(2)
32.試験

評価

小試験30%,定期試験70%

教科書

江島洋介,木村博 共編:放射線生物学(日本放射線技術学会監修)

連絡先

前澤(088-633-9052, hmaezawa@medsci.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 水曜日 18:00∼19:00