2008年度 保健科学教育部 保健学専攻 医用情報科学領域 博士後期課程 — [選択] 1年

医用情報工学特講

Advanced Lecture on Medical Information Engineering

教授・長篠 博文, 教授・吉永 哲哉, 教授・近藤 正

概要

生体信号の計測・解析用電子情報システム,医用画像診断機器,および医用画像処理システムの開発・改良を目的として,数理科学,信号処理,非線形科学の理論と先端応用技術をソフトウェア・ハードウェアの両面にわたって教授する.脳波解析,コンピュータ支援画像診断,画像再構成,画像領域分割・認識などを人工神経回路網や離散時間力学系,結合神経振動子など非線形動的力学系にみられる挙動の医学応用としてとらえ,数理に基づいた医用情報工学を修得させる.▼医用電子情報システム,特に計測システム,演算システムを中心にそのグラフィカル開発システムを用いた設計・解析法を修得させ,コンピュータシステムによるシミュレーションを用いて体験的に理解させる.更に,生体の高度な機能に学んだ各種の知的情報処理手法について紹介し,脳波の計測・処理・解析への適用を中心に詳説する.(長篠) ▼医用画像診断機器における画像再構成の数理および非線形力学系の基礎理論を講述した後,離散時間力学系で記述される逐次的画像再構成,および非線形振動子の動的時系列パタンに基づく画像領域分割の原理,演算アルゴリズムなどを基本から最先端の手法まで系統的に教授する.(吉永) ▼マルチスライスCTやMRIから得られる三次元医用画像を対象にして,最新の人工ニューラルネットワーク(神経回路網)理論や人工知能技術を応用した三次元医用画像解析システムやコンピュータ支援画像診断(CAD)システムについて解説し,これらのシステムに応用されている先端的なディジタル医用画像情報処理技術について詳説する.(近藤)

計画

1.LABViewを用いた信号解析システムの開発
2.ニューラルネットワークを用いた脳波時系列データの解析(1)
3.ニューラルネットワークを用いた脳波時系列データの解析(2)
4.ニューラルネットワークを用いたEEG信号源の推定(1)
5.ニューラルネットワークを用いたEEG信号源の推定(2)
6.医用画像診断・治療機器の原理に用いられる非線形力学系(1)
7.医用画像診断・治療機器の原理に用いられる非線形力学系(2)
8.離散時間力学系理論(1)
9.離散時間力学系理論(2)
10.離散時間力学系の解析と医用画像診断・治療機器への応用
11.コンピュータ支援診断のためのニューラルネットワークアルゴリズム(1)
12.コンピュータ支援診断のためのニューラルネットワークアルゴリズム(2)
13.人工ニューラルネットワークを用いたコンピュータ支援診断システム(1)
14.人工ニューラルネットワークを用いたコンピュータ支援診断システム(2)
15.人工ニューラルネットワークを用いたコンピュータ支援診断システム(3)
16.まとめ

連絡先

吉永(保健学科棟B226, 088-633-9050, yosinaga@medsci.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 毎週金曜日18:00∼19:00
長篠(A312, 088-633-9025, nagasino@medsci.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 毎週水曜16∼17時,19時∼20時 保健学科A棟3階長篠教員研究室
近藤(088-633-9024, kondo@medsci.tokushima-u.ac(no-spam).jp)