2008年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 3年(前期)

2008年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 3年(前期)

医薬品の有機化学

Medicinal Organic Chemistry

教授・佐野 茂樹

1単位

形態

講義

目的

医薬品の薬効ならびに作用機序を正しく理解するためには,化学構造の本質を知ることが極めて重要である.授業では医薬品に含まれる代表的な構造とその性質を取り上げ,有機化学を基盤とした医薬品に関する基本的知識の習得を目的とする.

概要

代表的な医薬品のコア構造(ファーマコフォア),重要な官能基,複素環化学と薬効の関連性,医薬品と生体高分子との相互作用に関する基礎知識等を講義する.さらに,生体分子を模倣した医薬品や生体内高分子と反応する医薬品について解説するとともに,医薬品創製における有機化学の重要性を明らかにする.

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC-6-(2)に相当

注意

創薬はもとより生命科学の様々な分野において重要な役割を担う有機化学の「不思議」と「魅力」を実感してもらいたい.「自ら学ぶ」という積極的な姿勢を期待する.

目標

1.医薬品のコンポーネント
  1. 代表的な医薬品のコア構造(ファーマコフォア)を指摘し,分類できる.
  2. 医薬品に含まれる代表的な官能基を,その性質によって分類し,医薬品の効果と結びつけて説明できる.
2.医薬品に含まれる複素環
  1. 医薬品として複素環化合物が繁用される根拠を説明できる.
  2. 医薬品に含まれる代表的な複素環化合物を指摘し,分類することができる.
  3. 代表的な芳香族複素環化合物の性質を芳香族性と関連づけて説明できる.
  4. 代表的な芳香族複素環の求電子試薬に対する反応性および配向性について説明できる.
  5. 代表的な芳香族複素環の求核試薬に対する反応性および配向性について説明できる.
3.医薬品と生体高分子
  1. 生体高分子と非共有結合的に相互作用しうる官能基を列挙できる.
  2. 生体高分子と共有結合的で相互作用しうる官能基を列挙できる.
  3. 分子模型,コンピュータソフト等を用いて化学物質の立体構造を示すことができる.
4.生体分子を模倣した医薬品
  1. カテコールアミンアナログの医薬品を列挙し,それらの化学構造を比較できる.
  2. アセチルコリンアナログの医薬品を列挙し,それらの化学構造を比較できる.
  3. ステロイドアナログの医薬品を列挙し,それらの化学構造を比較できる.
  4. 核酸アナログの医薬品を列挙し,それらの化学構造を比較できる.
  5. ペプチドアナログの医薬品を列挙し,それらの化学構造を比較できる.
5.生体分子と反応する医薬品
  1. アルキル化剤とDNA塩基の反応を説明できる.
  2. インターカレーターの作用機序を図示し,説明できる.
  3. β-ラクタムを持つ医薬品の作用機序を化学的に説明できる.

計画

1.上記到達目標に従い講義を進める,講義回数は到達目標の内容により異なる.

評価

学期末試験,授業への取組み状況などをもとに総合的に評価する.

再評価

実施する.

教科書

適宜プリント等を配布する.
参考書: 日本薬学会編『化学系薬学 II.ターゲット分子の合成と生体分子・医薬品の化学』東京化学同人

連絡先

(研究室)薬学部・分子創薬化学研究室(本館6階東)
(研究室のホームページ)http://www.ph.tokushima-u.ac.jp/?&rf=116
(Eメールアドレス)ssano@ph.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 随時

備考

平成20年度より開講