2008年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 3年(前期)

2008年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 3年(前期)

遺伝子工学

Gene Technology

教授・伊藤 孝司

1単位

形態

講義

目的

生物における遺伝子発現機構の概略を理解し,DNA,RNA およびタンパク質の生合成の分子メカニズムと遺伝子操作の基本と応用に関する知識を修得する.

概要

遺伝子工学は,現代のバイオテクノロジーの根幹を支える学問であり,遺伝子の発現調節機構の研究から得られた知見を医薬分野やバイオ産業に応用するための生命科学です.
本講義では,遺伝子の機能発現に基く生命現象の基本原理を解説するとともにDNA 二重らせん構造の解明以降に生み出された様々な分子生物的方法論と医学・薬学分野への応用について講述します.

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC9(2),(6) に相当

注意

分子生物学は進歩の早い学問ですが,生命現象をその根底にある原理に立ち返って理解すると,これほど明解な分野はありません.最近では細胞内構造や核酸や蛋白質等の生体高分子も視覚的に捉えたり,遺伝子の機能を動物個体で解析することも可能に成りつつあります.本講義では学生諸君にとって構造と機能という視点から生体分子を見つめたり,将来遺伝子操作により人為的な機能改変を考案するきっかけになることを期待しています.

目標

1.分子生物学・分子遺伝学の基礎
  1. 遺伝子発現に関するセントラルドグマ(複製・転写・翻訳)について概説できる.
  2. ゲノムと遺伝子との関係について説明できる.
  3. 細胞の構造とオルガネラについて説明できる.
  4. 遺伝子の変異(突然変異)について説明できる.
2.生体分子の構造と機能及び生合成機構
  1. DNA,RNA,タンパク質の構造,機能及び生合成機構について概説できる.
  2. DNA 鎖とRNA 鎖の類似点と相違点について説明できる.
  3. 原核生物と真核生物における遺伝子発現の相違点について説明できる.
  4. RNA の種類と働きについて説明できる.
3.分子生物学の方法論
  1. 遺伝子クローニング法の概要を説明できる.
  2. cDNA とゲノミックDNA の違いについて説明できる.
4.医学・薬学への応用
  1. 遺伝子治療,タンパク質工学,細胞工学,抗体工学,RNA 工学等について解説する.

評価

講義の進行に合わせ,講義内容の確認テストを授業時間内に行います.出席と学期末試験の結果から成績を評価します.

再評価

実施します.

教科書

1.分子細胞生物学(第5版)H. Lodish, A. Berk, C.A. Kaiser, M.Krieger, M.P. Scott, P. Matsudaira, S. L. Zipursky, J. Darnell 著, 石浦章一,石川統,須藤和夫,野田春彦,丸山工作,山本啓一訳,東京化学同人(2005)

連絡先

(研究室)薬学部・創薬生命工学(環境生物工学)分野(医薬資源教育研究センター2階)
(Eメールアドレス)kitoh@ph.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 特に指定はしません.質問等はEメールで受け付け,必要があれば面談します.

備考

平成20年度以降開講予定