2008年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 2年(前期)

2008年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 2年(前期)

衛生薬学 1

Pharmaceutical Health Sciences 1

教授・德村 彰, 講師・三笠 洋明

1単位

形態

講義

目的

医学(臨床医学) が病気の治療を目的としているのに対して,ここで教える保健衛生の分野は病気の予防と健康の増進を目的としており,疫学や保健統計,健康管理などもこれに含まれる.また,栄養素の働きを科学的に理解させ,健康の維持を栄養の面から考えさせる.

概要

健康維持に必要な栄養素の働きを科学的に理解するために必要な基本的知識を習得させる.社会における集団の健康と疾病の現状およびその影響要因を把握するために保険統計と疫学に関する基本的知識,態度を習得させる.麻薬や覚醒剤等に関する基本的知識を習得させる.

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC-11- (2),(3) に相当

注意

衛生薬学は創薬科学,医療薬学とともに薬学の第三の柱を構成する重要な科目の一つである.本講義を通じて,将来,創薬あるいは医療の専門家にとどまらず,日常の社会生活においても国民の健康を守る担い手であることを自覚してもらいたい.

目標

1.栄養素とエネルギー代謝
  1. 食品中のタンパク質の栄養的価値(栄養価)を説明できる.
  2. エネルギー代謝に関わる基礎代謝量,呼吸商の意味を説明できる.
2.栄養摂取をめぐる問題
  1. 食事摂取基準について説明できる.
  2. 日本における栄養摂取の現状を問題点について説明できる.
  3. 栄養素の過不足による主な疾病を列挙し,説明できる.
3.健康とは
  1. 健康と疾病の概念の変遷と,その理由について説明できる.
  2. 世界保健機構(WHO)の役割について概説できる.
4.疾病の予防
  1. 疾病の予防について,一次,二次,三次予防という言葉を用いて説明できる.
  2. 新生児マススクリーニングの意義について説明できる.
5.生活習慣病,職業病とその予防
  1. 生活習慣病の種類とその動向について説明できる.
  2. 生活習慣病のリスク要因を列挙できる.
  3. 食生活と喫煙などの生活習慣と疾病の関わりについて説明できる.
  4. 主な職業病を列挙し,その原因と症状を説明できる.
6.保健統計
  1. 集団の健康と疾病の現状を把握する上での人口統計の意義を理解できる.
  2. 人口静態と動態について説明できる.
  3. 国勢調査の目的と意義を説明できる.
  4. 死亡に関する様々な指標の定義と意義について説明できる.
7.健康と疾病をめぐる日本の現状
  1. 死因別死亡率の変遷について説明できる.
  2. 日本における人口の推移と将来予測について説明できる.
8.疫学
  1. 疾病の予防における疫学の役割を説明できる.
  2. 疫学の三要因(病因,環境要因,宿主要因)について説明できる.
  3. 疫学の種類(記述疫学,分析疫学など)とその方法について説明できる.
  4. 患者,対照研究の方法の概要を説明し,オッズ比を計算できる.
  5. 要因,対照研究(コホート研究)の概要,相対危険度,寄与危険度を説明できる.

計画

1.上記目標に沿って講義を行う.到達目標の内容によりそれぞれの項目の講義回数は異なる.

評価

学期末試験を重点に出席などを考慮して総合的に評価する.

再評価

実施する.

教科書

衛生薬学」佐藤政男他三名(共著)南江堂 7000円 本教科書は衛生薬学1の他に衛生薬学2および環境薬学でも使用する.

連絡先

(研究室)薬学部・衛生薬学研究室(本館3階西)
(Eメールアドレス)tokumura@ph.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 特に設けていない.いつでもどうぞ.