製剤学1
Physical Pharmacy 1
教授・嶋林 三郎
1単位
形態
講義
目的
医薬品の効果は,目的とする患部での薬理効果ばかりでなく投与部位から作用部位にいたるまでの過程からも大きな影響を受ける.医薬品を効率よく作用部位にまで到達させるためには,投与部位での吸収効率,患部へ医薬品が到達する効率,体内での医薬品の安定性などを高めねばならない.この目的を達成するためには,医薬品を目的に合致した形で製剤化しなければならない.またこれと同時に,投与しやすいこと,長期間の保存に耐えることなども満たされないと,その医薬品は実用的な価値を持ち得ない.
このような意味で製剤設計は,新しい薬理作用を持つ医薬品の開発やそれの薬理機構の究明と同等あるいはそれ以上に,重要な任務を負っている.医薬品をうまく制御して実用的な使用が可能となるように製剤計画を立て,使いやすくしかも安定性の高い剤形を開発していくのに際して,物理化学的な見地から指針を与えるのが,製剤学あるいは製剤物理化学といわれる分野である.
この講義においては,固形剤,半固形剤,液剤等の剤形と製剤化に必要な製剤材料に関する入門を学習する.代表的な製剤については日本薬局方製剤総則にも詳細が記述されているので,それも参考にしよう.この講義「製剤学1」と別途予定されている講義「製剤学2」とを学習することにより,製剤学(製剤物理化学)の分野のほぼ全域を概観できるように計画されている.
カリキュラム関連
薬学モデル・コアカリキュラムC-16-(1),(2) に相当
注意
薬学の研究領域は幅広いが,物理化学の基本原則を知っておくと,どの分野の研究に携わるにしても理解が容易となる.この製剤学1は基礎的な物理化学的知識を必要とするが,わずかの基本的原理を把握さえすれば全体が見渡せるようになっている.物理化学系の教科書や講義では式と図がたくさん出てきて困惑することがあるかもしれないが,これらを読み取るコツさえ分かれば理論式も概念図もこわくはない.製剤学1を学習して,図も理論式も全部征服できる自信を持てるようになろう.製剤学2とあわせれば,製剤学あるいは製剤物理化学といわれる分野のほぼ全域を学習したことになる.
目標
1. | 物質の溶解
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2. | 分散系
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3. | 製剤材料の物性
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4. | 代表的な製剤
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5. | 製剤化
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6. | 製剤試験法
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計画
1. | 上記到達目標に従い講義を進める,講義回数は到達目標の内容により異なる. |
評価
試験で評価する.
再評価
実施する.
教科書
嶋林三郎 編集「製剤への物理化学」(廣川書店)
連絡先
(Eメールアドレス)saburo@ph.tokushima-u.ac.jp
- オフィスアワー: 講義開催曜日の12:00-13:00