2008年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 4年(前期)

創製薬学3

Developmental Pharmacy 3

教授・伊藤 孝司

1単位

形態

講義

目的

ストゲノム時代における生命科学を基盤とした疾患の発症メカニズムの解析法と新しい概念に基く医薬品開発のアプローチを紹介し,21世紀の創薬を担う研究者の視点を養うことを目的とする.

概要

トゲノムDNA の全塩基配列の解読が完了し,ゲノム情報を利用して,ファンクショナルゲノミクス,プロテオミクス,グライコミクス,メタボロミクスなどの新しい生命科学分野が発展している.本講義では,新しい手法に基く疾患の発症・進展メカニズムの研究について解説するとともに,ゲノム創薬をはじめ,細胞工学,抗体工学,RNA 工学,糖鎖工学,再生工学などの先端技術の医薬品開発への応用について講述する.

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC17( 3 ) に相当

注意

ストゲノム時代に入り,生命科学は益々急速に発展しています.創薬の基盤となる疾患の発症・進展の分子機構を解明するための最新の研究手法や医薬品開発のための先端技術を紹介し,将来の創薬研究者をめざす学生諸君の一助になれば幸いです.本講義を足がかりとして自ら興味をもった分野の知識を積極的に吸収してください.

目標

1.ゲノム情報と解析技術
  1. ヒトゲノムの構造と多様性について説明できる.
  2. バイオインフォーマティクスについて概説できる.
  3. トランスクリプトームとその解析技術について概説できる.
  4. プロテオームとその解析技術について概説できる.
  5. 遺伝子多型(SNPs)とその解析技術について概説できる.
  6. タンパク質間相互作用の解析技術について説明できる.
2.ゲノム創薬とファンクショナルゲノミクス
  1. ゲノム創薬と分子標的の探索法について概説できる.
  2. 遺伝子改変動物を用いた医薬品の評価について説明できる.
  3. モデル生物の生命科学への応用について概説できる.
3.疾患関連遺伝子と創薬
  1. 代表的な疾患(がん,糖尿病,代謝異常症など)の原因または関連遺伝子について説明できる.
  2. 疾患の原因または関連遺伝子情報に基く医薬品の開発例を列挙し,説明できる.
4.先端生命科学技術と創薬
  1. 遺伝子組換え体医薬品の特色と応用例について説明できる.
  2. 抗体医薬と応用例について説明できる.
  3. 遺伝子治療の原理と方法について概説できる.
  4. RNA 工学とその応用例について説明できる.
  5. 幹細胞工学と再生移植治療法について概説できる.
  6. グライコーム,リピドームおよびメタボロームについて概説できる.

評価

講義の進行に合わせ,不定期に講義内容に関するレポートを提出していただきます.レポートにおける講義内容の理解度と学期末試験の結果から成績を評価します.

再評価

実施します.

教科書

開講までに指定する.

連絡先

(研究室)薬学部・創薬生命工学(環境生物工学)分野(医薬資源教育研究センター2階)
(Eメールアドレス)kitoh@ph.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 特に指定はしません.質問等はE- メールで受け付け,必要があれば面談します.

備考

平成21年度以降開講予定