2008年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 2年(前期)

2008年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 2年(前期)

物理化学実習1

Practice of Physical Chemistry 1

教授・嶋林 三郎, 准教授・植野 哲

1単位

形態

実習

目的

物理化学実習では様々な化合物の性質を調べることによって各種の測定原理及び技法を習得し,実験結果の考察を通して物理化学的考え方を身につけることを目的とする.

概要

1)ミセル形成:表面張力を調べることにより,ドデシル硫酸ナ:科目名

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC-1-(1), C-2-(1), (2), (3), C-3-(1), C-16-(1) に関連-

注意

物理化学とは,物理学の理論や測定技法を化学に導入し,化学物質の構造・物性・反応に関する理論的体系を構築していく学問である.
薬学分野において,直接的あるいは間接的に取り扱う対象となっている物質は,医薬品及び薬物投与を受ける生体である.医薬品の薬理作用や製剤設計,並びに医薬品に対する生体側の機能や反応性等を考えていく上で,基本となるのは物理化学である.たとえば,有機化学における合成戦略の検討,及び構造活性相関や薬物設計の問題,生物化学における生体分子と薬物との相互作用の問題などに対し,原子の立体的配置や電子状態等の分子構造論的ミクロな視点,及び物質系におけるエネルギー収支を基盤とした熱力学的マクロな視点から,物理化学の言葉で統一的に説明を与えることができる.
また,薬学分野で使用されている測定機器の多くはその原理を物理化学においていることも,忘れてはならない.

目標

1.流動現象および粘度について説明できる.
2.溶液の水素イオン濃度(pH) を測定できる.
3.溶液のpH を計算できる.
4.界面の性質について説明できる.
5.代表的な界面活性剤の種類と性質について説明できる.
6.乳剤の型と性質について説明できる.
7.代表的な分散系を列挙し,その性質について説明できる.
8.分散粒子の沈降現象について説明できる.
9.製剤化の単位操作および汎用される製剤機械について説明できる.
10.単位操作を組み合わせて代表的製剤を調製できる.
11.日本薬局方の製剤に関連する試験法を列挙できる.

計画

1.実習開始に先立ち,各実習テーマの内容及びおおよその実験手順について講義する.
2.・実験結果のまとめ方や,結果を解析する上で基本となる物理化学的考え方等についてもあわせて解説する.
3.・実験手順についてはおおよそのガイドラインを用意するが,使用する器具や細かな手順については各学生が自ら工夫して,実験目的の理解と実験手順に関するレポートを実習の開始前に提出する.
4.・レポート内容を点検した後に,実習の開始を許可する.

評価

各テーマについて実習終了後,実験結果のレポートを提出する.これらのレポートから,実習テーマを正しく理解し,実験結果について充分考察しているか判定する.
・実習の最終日には実習試験を行い,実習内容の理解度を判定する.
・実習態度,出席状況を加味して評価する

再評価

実施する.

教科書

物理化学実習書を配布する.
寺田弘編集「薬局方に基づいた物理化学実験」(廣川書店)を参考書として使う.
小畠陽之助 清水博編集「薬学のための物理化学実習」(講談社サイエンティフィク)を参考書として使う.
嶋林三郎編集「製剤への物理化学」(廣川書店)を参考書として使う.

連絡先

(研究室)薬学部・製剤設計薬学研究室(本館5階)
(Eメールアドレス) sueno@ph.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 前期月曜日 の12:00-13:00

備考

平成20年度前期に2年次学生を対象に講義の予定.