2008年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 2年(前期)

2008年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 2年(前期)

衛生化学実習

Practice of Health Chemistry

教授・德村 彰, 准教授・田中 保

1単位

形態

実習

目的

衛生化学は生命体の維持という観点に立ち基礎から応用に至るまでの広範囲な領域から成る学問分野である.しかも,近年の科学技術の進歩や産業構造と生活様式の変換により,その内容はさらに複雑化している.これらの領域における薬学生のための実習も多岐にわたるが,本実習では,これを学ぶ薬学部生がとまどうことがないように,その本質を理解できるような重点項目を選んであり,それらの実験法の手技を習得し,衛生化学的意義を理解することを目的とする.

概要

実習項目は,地球的環境破壊と関連する公共水域の汚濁指標に始まり,日常,人が摂取する飲料水の水質,空気環境並びに食品の栄養価値,品質や添加物試験へと進むように組み立てられている.

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC-11-(1)とC-12-(2) に相当

注意

本実験を通じて,環境保全の大切さを理解し身近な社会問題への関心を高めるよう希望する.

目標

1.食品の品質と管理
  1. 油脂が変敗する機構を説明し,油脂の変質試験を実施できる.
  2. 主な食品添加物の試験法を実施できる.
2.水環境
  1. 水道水の水質基準の主な項目を列挙し,測定できる.
  2. DO, BOD, COD を測定できる.
3.空気環境
  1. 室内環境を評価するための代表的な指標を列挙し,測定できる.

計画

1.上水試験法
  • アンモニア性窒素(インドフェノール法)
  • 亜硝酸性窒素(ジアゾ化法)
  • 硝酸性窒素(サリチル酸ナトリウム法)
  • 残留塩素(DPD 法)
2.下水試験法
  • DO (ウインクラー法)
  • BOD (直接稀釈法)
  • COD (アルカリ性過マンガン酸法)
3.空気試験法
  • 気湿 (アスマン通風湿度計)
  • 乾カタ冷却力 (カタ温度計)
  • 気動と感覚温度の算出
4.食品成分試験法
  • 粗タンパク質量 (セミミクロケルダール法)
  • 油脂の不飽和脂肪酸含有量 (ヨウ素価)
  • 過酸化脂質量 (過酸化物価)
5.食品添加物試験法
  • 酸性着色料 (ポリアミド染色/ TLC 法)

評価

出席状況,実習態度,実習試験および実習レポートで総合評価する.

再評価

実施しない.

教科書

衛生試験法・要説 (日本薬学会編) 南山堂」より抜粋したプリントを実験に合うよう編集した冊子を用いる.上記の書物の親本である「衛生試験法・注解2005 (日本薬学会 編) 金原出版」には,本実習項目について詳細な解説が記載されている.衛生薬学1,衛生薬学2,環境薬学の講義で共通して教科書として使用する「衛生薬学 (佐藤政男,中川靖一,川嶋洋一,鍛冶利幸 編)南江堂」は.本実習項目の衛生化学的意義を理解するうえで参考になるであろう.

連絡先

(研究室)薬学部衛生薬学研究室(本館3 F 西)
(Eメールアドレス)tokumura@ph.tokushima-u.ac.jpあるいはtanakat@ph.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 特に時間は定めない.