生理学A・B 講義
Physiology
形態
講義
授業目的
正常な内分泌系の働きを学び,内分泌ホルモンの分泌異常がもたらす疾患についても理解を深める.動物に備わっている,外部環境との対応機能について,細胞・組織・器官レベルでの基本原理と代表例について理解する.
授業概要
細胞の基本構造を理解し内分泌ホルモンの生合成・分泌について学ぶ.内分泌ホルモンの産生臓器,生理作用,機能亢進と機能不全,分泌調節,輸送と代謝などを学ぶ.生殖器系の働きについて学ぶ.熱力学第2法則からニューロンの働きや筋収縮まで,生理現象を貫く原理を,個々の現象と実行実体の構造に即して学ぶ.
授業テーマ
内分泌系の働きおよび動物性機能の生理学(1)
授業方法
板書および資料提示装置を利用しながら講義を行う.必要に応じて補助教材を配付することもある.
1-15,および16-30の各講義はそれぞれ月曜日,および木曜日に並進して行う.
授業場所
第2講義室
注意事項
試験は学生便覧の歯学部規則を満たしている者に対して行う.
到達目標(<>はコアカリ対応)
1. | 人体機能の概略と生体の制御系について説明できる. | |
2. | 細胞の分泌と吸収の機序について説明できる. | <D-1-(3)-3)> |
3. | 各内分泌器官の構造と機能及び産生ホルモンについて説明できる. | <D-2-(3)-内分泌系-1)> |
4. | 生殖腺の機能と調節,妊娠と分娩について説明できる. | <D-2-(3)-生殖器系-1)> |
5. | 細胞膜の基本構造と膜輸送について説明できる. | <D-1-(3)-1)> |
6. | 能動輸送・受動輸送について説明できる. | <D-1-(1)-4)> |
7. | 拡散とその自由エネルギー変化について説明できる. | <D-1-(1)-4)> |
8. | イオンチャンネル・膜電位・活動電位・について説明できる. | <D-2-(3)-神経系-8)> |
9. | ニューロンの基本構造を説明できる. | <D-2-(3)-神経系-6)> |
10. | 興奮の伝導について説明できる. | <D-2-(3)-神経系-8)> |
11. | シナプスの基本構造と機能について説明できる. | <D-2-(3)-神経系-9),10)> |
12. | 横紋筋の収縮機構を説明できる. | <D-2-(3)-運動器系-2)> |
13. | 心筋の収縮とその歩調取りについて説明できる. | <D-2-(3)-循環器系-1)> |
授業計画
回 | 大項目 | 中項目 | 内容 | 担当 | 到達目標 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 序論 | 生理学序論 | 細井 | 1 | |
2. | 細胞生理 | 細胞の基本構造 | 細胞内小器官,遺伝子情報 | 赤松 | 2 |
3. | 〃 | 分泌過程の細胞生理 | 蛋白質の生合成,分泌の生理 | 〃 | 〃 |
4. | 内分泌 | 内分泌学序論 | ホルモンと受容体,情報伝達系 | 〃 | 3 |
5-6. | 〃 | 視床下部・下垂体 | 視床下部・下垂体系,下垂体ホルモンと視床下部ホルモン,成長ホルモン | 〃 | 〃 |
7. | 〃 | 甲状腺 | 甲状腺ホルモンの生成,代謝,作用と分泌調節 | 長谷川 | 〃 |
8-9. | 〃 | 膵臓 | インスリン・グルカゴンの作用と分泌調節,血糖調節,糖尿病 | 〃 | 〃 |
10-11. | 〃 | 副腎 | 副腎髄質ホルモンとストレス説,皮質ホルモンによる糖質および電解質の代謝調節,分泌調節 | 〃 | 〃 |
12-13. | 〃 | カルシウム代謝の内分泌性制御 | 骨の生理学,カルシトニン,PTH,ビタミンD3の作用,骨の病気 | 赤松 | 〃 |
14-15. | 生殖 | 性腺 | 生殖腺,精巣,卵巣の働きと調節,妊娠と分娩 | 〃 | 4 |
16. | 生体制御 | 人体とその活動 | 構造と制御機能 | 細井 | 1 |
17. | 〃 | 制御系の概念 | 閉ループ系と開ループ系 | 〃 | 〃 |
18. | 〃 | 〃 | 各種制御システム | 〃 | 〃 |
19. | 膜とイオン輸送 | 細胞膜と輸送 | 生体膜の基本構造,膜輸送 | 姚 | 5,6 |
20. | 〃 | 輸送のエネルギー | 物質移動の熱力学と膜電位 | 〃 | 7 |
21. | 生体の膜電位 | 静止膜電位 | 拡散電位とイオン種毎の起電力 | 細井 | 7,8 |
22. | 〃 | 活動電位 | 電位差依存性イオンチャンネル | 〃 | 8,10,11 |
23. | 神経組織 | 神経組織の細胞 | 神経細胞・グリア細胞 | 〃 | 9,10 |
24. | 〃 | シナプス | シナプス領域のイオン機序 | 〃 | 11 |
25. | 筋組織 | 横紋筋 | シナプスの機能 | 〃 | 〃 |
26. | 〃 | 〃 | 筋細胞の内部構造と分子配列 | 〃 | 12 |
27. | 〃 | 〃 | 横行小管系と興奮収縮連関 | 〃 | 〃 |
28. | 〃 | 〃 | カルシウムイオンの働き | 〃 | 〃 |
29. | 〃 | 〃 | 運動ニューロン・運動単位 | 〃 | 〃 |
30. | 〃 | 心筋・平滑筋 | 心筋の活動電位,りん酸化 | 〃 | 13 |
成績評価の方法
評価は筆記試験により行う.試験は2年次後期の試験期間中に実施する.
100点満点で60点以上のものを合格とする.
再試験
一度のみ行う.
教科書,プリント,参考書
教科書:生理学テキスト,第5版,文光堂,2007
参考書:ギャノング生理学,原書22版,丸善,2006
参考書:新生理学,第4版,文光堂,2003
参考書:オックスフォード生理学,第2版,丸善,2005
WEBページ
連絡先
細井(088-633-7323, hosoi@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: (木 16:40-17:40/6F口腔生理学・教授室)
赤松(生理 第2研究室, 088-633-7324, akamatsu@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: (金17:00-18:00/6F口腔生理学・第2研究室)
姚(088-633-7324, yao@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: (木16:30-17:30/6F口腔生理学・第2研究室)
長谷川(口腔分子生理学 第2研究室, 088-633-7324, thase@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: (水16:40-17:40)