2008年度 歯学部 歯学科 学部課程 — 3年(前期)

生理学C・D 講義

Physiology

教授・細井 和雄, 助教・赤松 徹也, 助教・姚 陳娟, 助教・長谷川 敬展

2単位

形態

講義

授業目的

人体各部の働きおよび調節機構について理解する.また神経系および内分泌系による各臓器・組織の調節について学習・理解する.生体の情報処理機能と入出力の制御機構について,器官・個体レベルでの基本原理と組み合わせについて知り,統合的な制御の重要性を理解する.

授業概要

消化吸収(肝臓,膵臓を含め),血液,循環,呼吸,排泄,唾液と唾液腺,味覚等の機序について学ぶ.感覚器による情報取得と中枢神経系による情報処理・骨格筋の制御について学ぶ.

授業テーマ

内蔵の各器官の働き,および動物性機能の生理学(2)

授業方法

板書および資料提示装置を利用しながら講義を行う.必要に応じて補助教材を配付する.

1-15,および16-30の各講義はそれぞれ月曜日,および木曜日に並進して行う.

授業場所

第2講義室

注意事項

試験は学生便覧の歯学部規則を満たしている者に対して行う.

到達目標(<>はコアカリ対応)

1.消化管(食道,胃,小腸,大腸)の基本構造と機能を説明できる.<D-2-(3)-消化器系-1)>
2.胆汁と膵液の機能及びそれらの分泌経路を説明できる.<D-2-(3)-消化器系-2),3)>
3.消化管ホルモンによる消化器系の調節を説明できる.
4.血液と血球細胞の機能,止血と凝固系について説明できる.<D-2-(3)-血液・造血器・リンパ網内系-2),3),4)>
5.心臓の構造と機能を説明できる.<D-2-(3)-循環器系-1)>
6.循環とその調節,血液脳関門を説明できる.<D-2-(3)-循環器系-3),4)>
<D-2-(3)-神経系-5)>
7.呼吸器系の構造と機能を説明できる.<D-2-(2)-呼吸器系-1),2)>
8.酸素解離曲線,炭酸が素解離曲線とその生理的意義を説明できる.
9.呼吸の調節機序を説明できる.
10.腎臓の構造と機能,尿生成の機序を説明できる.<D-2-(2)-泌尿器系-1)>
11.腎臓による体液量,浸透圧の調節の機序を説明できる.<D-2-(2)-泌尿器系-2),3)>
12.尿路の構造と排尿反射について説明できる.<D-2-(2)-泌尿器系-1)>
13.唾液腺の構造と分泌の細胞性機序・唾液の役割について説明できる.<F-2-(3)-4),5)>
14.唾液腺による分泌の神経性機序について説明できる.<F-2-(3)-5)>
15.味覚の受容と伝達,中枢における神経機構について説明できる.<D-2-(3)-感覚器系4)>
16.神経系の構造・分化・発達と機能分担のあらましについて説明できる.<D-2-(3)-神経系-2),4),7)>
17.感覚器・感覚受容細胞について説明できる.<D-2-(3)感覚器系-1),2),3),4)>
18.受容器電位と起動電位について説明できる.<D-2-(3)-神経系8)>
19.感覚の受容野とその神経構成について説明できる.
20.視覚系のあらましを説明できる.
21.網膜の構造と情報処理について説明できる.<D-2-(3)-感覚器系-3)>
22.大脳皮質の基本構造と機能円柱について説明できる.
23.大脳における視覚情報処理機構について説明できる.
24.聴覚・前庭感覚受容機構について説明できる<D-2-(3)-感覚器系-3)>
25.匂いの受容機構について説明できる.<D-2-(3)-感覚器系-4)>
26.皮膚感覚と深部感覚について説明できる.<D-2-(3)-感覚器系-1),2)>
27.反射と反射弓について説明できる.<D-2-(3)-神経系6)>
28.筋紡錘の構造と機能・姿勢と運動の調節機構について説明できる.<D-2-(3)-神経系6)>
29.自律神経系の構成と機能について説明できる.<D-2-(3)-神経系-2),3)>
30.下顎の運動について説明できる.<F-2-(2)-6)>
31.口腔内の感覚と反射について説明できる.<F-2-(2)-7)>
32.咀嚼・吸啜・嚥下について説明できる.<F-2-(2)-8),9)>

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.消化管の機能消化管運動の神経支配
内在・外来神経による消化管運動の調節および反射
赤松1
2. 〃消化酵素の分泌・消化・吸収
消化酵素の分泌と消化・吸収
1,2
3. 〃消化管ホルモン
消化管ホルモンによる消化器系の調節
3
4.血液と循環血液
血液,赤血球,止血と凝固系
4
5. 〃心臓
心臓,刺激伝導系,心電図
5
6. 〃循環とその調節
血管系,毛細循環,リンパ,
6
7. 〃特殊部位の循環
脳の循環,環状循環,胎盤の血行
8.呼吸肺の機能
呼吸器の構造・換気
長谷川7
9. 〃ガスの運搬
酸素解離曲線とボーア効果,炭酸ガス解離曲線とホールデン効果,その生理学的意義
8
10. 〃呼吸の調節・調整
呼吸と中枢における反射,呼吸リズムの神経機序
9
11.排泄腎臓の構造と機能
腎臓の構造,尿の生成,尿細管における再吸収と酸塩基平衡
10
12. 〃腎機能の調節
抗利尿ホルモン・ミネラルコルチコイド・上皮小体ホルモン,レニン・アンギオテンシン系
10,11
13. 〃排尿
排尿反射
12
14.口腔生理学(1)唾液と唾液腺
唾液,唾液腺の構造と唾液分泌
唾液分泌の神経機構
赤松13,14
15. 〃味覚
味覚の受容と伝達,中枢における神経機構
15
16.神経系概説神経系の構成
上位中枢と下位中枢.遠心系と求心系,体性神経系と自律神経系
細井16,17
17.感覚系概説感覚の受容と符号化
受容器,受容器電位
17,18,19
18.視覚受容と伝導路
眼球,網膜,視覚伝導路
20,21
19. 〃視覚情報処理
大脳皮質,機能円柱,特徴抽出
22,23
20. 〃大脳皮質の特質
発達と臨界期,分担と統合
16,22
21.聴覚と前庭感覚聴覚
音波の検出と判別
24
22. 〃前庭感覚
加速度の検出と反射
23.嗅覚匂いの受容と識別
嗅細胞,糸球体,受容体,識別
25
24.一般感覚皮膚と深部の感覚
皮膚感覚と深部感覚
26
25.筋運動の制御姿勢調節と脊髄反射
反射弓,筋紡錘の神経回路
細井27,28
26. 〃 〃
筋紡錘の働きと反射弓群
27. 〃 〃
反射と協調,最終共通路の概念
28. 〃姿勢と運動の調節
錐体路系と錐体外路系
28
29.自律神経系内蔵機能の調節
交感神経系と副交感神経系,腸管神経系
29
30.口腔生理学(2)顎口腔機能の生理学
顎運動,感覚と反射,咀嚼・吸啜・嚥下
30,31,32

成績評価の方法

評価は筆記試験により行う.試験は3年次前期の試験期間中に実施する.
100点満点で60点以上のものを合格とする.

再試験

一度のみ行う.

教科書,プリント,参考書

教科書:生理学テキスト,第5版,文光堂,2007教科書:生理学テキスト,第5版,文光堂,2007

参考書:ギャノング生理学,原書22版,丸善,2006

参考書:新生理学,第4版,文光堂,2003

参考書:オックスフォード生理学,第2版,丸善,2005

連絡先

細井(088-633-7323, hosoi@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (木 16:40-17:40/6F口腔生理学・教授室)
赤松(生理 第2研究室, 088-633-7324, akamatsu@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (金17:00-18:00/6F口腔生理学・第2研究室)
姚(088-633-7324, yao@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (木16:30-17:30/6F口腔生理学・第2研究室)
長谷川(口腔分子生理学 第2研究室, 088-633-7324, thase@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (水16:40-17:40)