2008年度 歯学部 歯学科 学部課程 — 4年(前期)

歯科放射線学A 講義

Oral and Maxillofacial Radiology

教授・誉田 栄一, 教授・前澤 博

1単位

形態

講義

授業目的

歯科医師に必要な電離および非電離放射線の有効かつ安全な利用について知識,技能および態度を修得する.

授業概要

1)放射線とその防護
放射線を歯科医療で有効に利用し,それに伴う障害を防止するために,放射線の性質,影響および防護を理解する.
(2)歯・口腔顎顔面領域の画像検査
歯・口腔顎顔面領域の画像検査を適切に選択し実施するために,特徴,種類,技術および適応を理解する.
(3)放射線腫瘍学
口腔領域悪性腫瘍の放射線治療および治療患者の口腔管理の重要性を認識するために,放射線治療の基礎と実際を理解する.

授業テーマ

歯科における電離および非電離放射線の有効かつ安全な利用

授業方法

講義型式 プリント,スライドを用いる.

授業場所

第4講義室

到達目標(<>はコアカリ対応)

1.電離放射線の種類,性質および単位について説明できる.<F-1-(2)-1)>
2.放射線の生体に対する影響について説明できる.<F-1-(2)-2)>
3.放射線防護について説明できる.<F-1-(2)-3)>
4.エックス線画像形成について説明できる.<F-1-(2)-4)>
5.デジタルエックス線画像について説明できる.<F-1-(2)-4)>
6.画像検査の品質保証計画について説明できる.<F-1-(2)-5)>
7.口内法エックス線撮影について説明できる.<F-1-(2)-6)>
8.パノラマエックス線撮影について説明できる.<F-1-(2)-6)>
9.エックス線CTについて説明できる.<F-1-(2)-9)>
10.磁気共鳴撮像法(MRI)について説明できる.<F-1-(2)-9)>

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.診断基礎・物理原子
原子の構造,素粒子.
誉田1
2. 〃放射線
放射線の分類,エックス線の性質,放射性同位元素
3. 〃エックス線の発生・装置
エックス線の種類,管球,整流,発生効率,装置の構成,相互作用,透過,吸収,散乱,濾過,半価層,線質,単位
4. 〃フィルム・増感紙
特性曲線,コントラスト,ラチチュード,解像度,増感紙
4
5. 〃写真処理
感光理論,現像処理
6. 〃エックス線画像の特徴
フーリエ変換,レスポンス関数
7. 〃デジタル画像・画像処理
医用画像工学からのアプローチ,デジタル画像の基礎
5
8. 〃 〃
医用画像工学からのアプローチ,デジタル画像の実際
9.検査法歯と歯周組織の撮影法
口内法,正放線,偏心,軸方向,解剖学的指標,撮影の失敗と原因
7
10. 〃パノラマエックス線撮影法
装置発達の歴史,装置,原理,撮影法(デジタルを含む),解剖学的指標,スクリーニング
8
11. 〃特殊画像検査法
エックス線CT,MRIの画像形成原理と正常解剖像
9,10
12.放射線管理放射線の人体に対する影響
放射線防護の考え方
自然放射線
目的,体系,現状,妊娠中の女性,小児
2,3
13. 〃放射線管理,品質保証計画
放射線機器の保守管理,撮影の最適化
3,6
14.放射線生物学放射線生物学概論
放射線作生物用の特徴と放射線作用の発現
細胞・組織の放射線感受性を修飾する因子
前澤2
15. 〃 〃
放射線感受性と遺伝子,細胞の線量・生存率曲線

成績評価の方法

筆記試験を行い 60点以上を合格とする.

再試験

行う

教科書,プリント,参考書

1)標準歯科放射線学:西連寺永康監修,第2版,医学書院,2000

2)歯科放射線学:古本啓一,岡野友宏,小林馨編,第4版,医歯薬出版,2006

3)口腔画像診断アトラス:日本歯科放射線学会編,医歯薬出版,1998

4)口腔画像診断の臨床:東与光,生田裕之著,第2版,医歯薬出版,1992

5)歯科診療における放射線の管理と防護:日本歯科放射線学会・放射線防護委員会編,第2版,医歯薬出版,2002

6)放射線基礎医学:菅原努監修,改訂第8版,金芳堂,1996

7)放射線科医のための放射線生物学:E.J.Hall著 浦野宗保訳,第4版,篠原出版,1995

9)人は放射線になぜ弱いのか:近藤宗平,第3版,講談社,2000

10)歯科診療におけるX線診断の品質保証プログラム:佐々木武仁編,医歯薬出版,2006

連絡先

誉田(honda@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (月∼金の16:30∼17:30/3F放射線・教授室/633-7360)