2008年度 歯学部 口腔保健学科 学部課程 — [必修] 2年(前期)

微生物学・免疫学

Microbiology·Immunology

教授・日野出 大輔, 教授・三宅 洋一郎

2単位

形態

講義

一般目標

微生物の種類と特性ならびに生体の防御機構を理解し,感染症の基礎的な知識,理論を身につける.また口腔細菌の特徴と病原性を理解する.

授業概要

口腔領域および全身の感染症の原因となる微生物の構造,増殖,病原性,感染症に対する人の免疫系について学習する.またう蝕,歯周病などの口腔感染症の基礎的な知識,理論も学習する.

授業方法

講義形式(視聴覚教材,プリントなどを適宜用いる.)

授業場所

木曜1,2時限目 第3講義室

行動目標 (到達目標)

1.微生物学の概要とヒトに対する感染成立機序を理解する.
2.微生物の種類を列挙できる.
3.微生物の性状とその観察方法を説明できる.
4.細菌,ウイルス,真菌および寄生虫の性状と病原性を説明できる.
5.自然免疫と獲得免疫の異同を説明できる.
6.抗原抗体反応を説明できる.
7.細胞性免疫と体液性免疫の異同を説明できる.
8.アレルギーの分類と発生機序を説明できる.
9.免疫疾患について説明できる.
10.化学療法の目的と作用機序を説明できる.
11.化学療法剤の薬剤耐性,選択,副作用について説明できる.
12.清潔と不潔の区分,滅菌と消毒の意義とその代表的な方法を説明できる.
13.口腔内常在微生物の種類と分布を説明できる.
14.う蝕の病因と病態を説明できる.
15.主な口腔感染症の病原菌を列挙し,それぞれの病態を説明できる.
16.歯周疾患の病因と病態を説明できる.
17.口腔細菌の全身への影響を説明できる.
18.院内感染と標準予防策を説明できる.

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.微生物学総論微生物学概論
微生物とは?感染症とは?
三宅1
2. 〃微生物の性状
微生物の種類,特徴,観察方法
2
3. 〃細菌の構造,代謝
細菌の構造,代謝,増殖
3
4. 〃感染
感染と発症,病原性,毒素,宿主寄生体関係
5. 〃 〃
感染の種類,経路,予防法
6.微生物学各論グラム陽性菌
ブドウ球菌,レンサ球菌,棹菌,その他
4
7. 〃グラム陰性菌
グラム陰性球菌,グラム陰性棹菌,嫌気性棹菌,腸内細菌
8. 〃その他の細菌
スピロヘータ,マイコプラズム,リケッチア,クラミジア
9. 〃ウイルス学
構造,種類,感染,増殖,化学療法
10. 〃 〃
各論
11. 〃真菌学・原虫学
構造,種類,増殖,病原性,化学療法
12.免疫学免疫学概論,種類
免疫と生体防御,自然免疫,獲得免疫
5
13. 〃免疫の機構
免疫担当細胞,抗原,抗体,補体,抗原抗体反応
6
14. 〃 〃
細胞性免疫と体液性免疫
7
15. 〃アレルギー,免疫疾患
アレルギーの種類,発生機序,自己免疫疾患
8 9
16.微生物学総論化学療法
化学療法とは?選択毒性,作用機序
10
17. 〃 〃
化学療法剤,薬剤耐性,選択,副作用
11
18. 〃滅菌と消毒
滅菌の定義,原理と方法
12
19. 〃 〃
消毒の定義,原理と方法
20.口腔細菌学口腔内常在微生物
口腔常在細菌叢,口腔環境,分布
13
21. 〃 〃
唾液,歯肉溝液,歯垢
22. 〃う蝕
う蝕と微生物,発症
14
23. 〃 〃
う蝕と免疫
24. 〃 〃
歯髄炎と微生物,根尖病変と微生物
25. 〃その他の口腔感染症
口腔領域の細菌感染症
15
26. 〃 〃
口腔領域の真菌,ウイルス感染症
27. 〃歯周病
歯周病と微生物,歯垢の病原性
日野出16
28. 〃 〃
各型の病原菌,歯周病と免疫応答
29. 〃口腔外感染症
口腔細菌と全身
三宅17
30. 〃院内感染
院内感染,日和見感染,標準予防策,CDCガイドライン
18

成績評価の方法

筆記試験により行う.100点満点で60点以上を合格とする.

再試験

必要に応じて行う.

教科書,参考書

新歯科衛生士教本「微生物学」第2版 全国歯科衛生士教育協議会編 医歯薬出版

参考資料

口腔微生物・免疫学 第2版 浜田茂幸編集 医歯薬出版

連絡先

日野出 大輔 (hinode@dent.tokushima-u.ac.jp/6F口腔保健基礎学講座・第4研究室/633-7543)
オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
三宅 洋一郎 (miyake@dent.tokushima-u.ac.jp/4F 口腔感染症学・教授室/633-7329)
オフィスアワー: 月∼金16:00∼18:00