チーム歯科医療学
Team Approach for Dental Treatment in health and welfare
形態
講義
一般目標
医療・介護制度やチーム医療あるいはチーム歯科医療がどのように実践されているかを論じ,その中での歯科衛生士の役割を理解する.また,歯科臨床の場でチーム医療の実践に必要な知識・技術を理解し,基礎的な技術を身に付ける.
授業概要
良好な医療チームを形成し,多職種がそれぞれの専門的立場からアプローチし,意見を交換するためには,まずそれぞれの専門職種を理解することが必要である.口腔保健医療者として必要なチーム歯科医療の概念と理論ならびにチーム歯科医療に関係する各職種の業務内容や法的な規制を個別に講義し,同時に様々な職場における歯科医療の流れと各職種の役割,相互の連携およびチーム歯科医療の効果を教授する.
授業方法
講義形式(視聴覚教材,プリントなどを適宜用いる.)
必要に応じてグループ討議,ロールプレイを組み入れる.
授業場所
(2年次)月曜5時限目 第3講義室
行動目標 (到達目標)
1. | 保健・医療・福祉各分野における専門職種の業務内容や法的な規制について説明できる. |
2. | 他の医療従事者と連携するために必要な医学用語を説明できる. |
3. | 有病者を対象とした口腔保健活動における留意点を説明できる. |
4. | 摂食・嚥下障害あるいは言語障害を有する患者を対象とした口腔保健活動における留意点を説明できる. |
5. | 高齢者・要介護者を対象とした口腔保健活動における留意点を説明できる. |
6. | 障害に応じた歯科診療時の注意点を説明できる. |
7. | 歯科診療施設における受付の機能を説明できる. |
8. | 対象者からの質問に適切に答え,その様々な反応に柔軟に対応できる. |
9. | 適切な患者対応(接遇)について説明できる. |
10. | 診断のための医療面接を説明できる. |
11. | 歯科診療の流れに沿った診療報酬の請求方法について説明できる. |
12. | 歯科診療の流れと診療録の記載方法について説明できる. |
13. | 面接および検査の結果を業務記録に記載できる. |
14. | 必要な情報を整理し,わかりやすい口頭説明と文書を準備できる. |
15. | 歯科衛生プロセスを概説できる. |
授業計画
回 | 内容 | 担当 | 到達目標 |
---|---|---|---|
1. | チーム医療とは,チーム医療概論(チーム医療の必要性),システムの連携,構成員の連携 | 羽田 | 1 |
2. | 医療現場(医師,(准)看護師,(管理)栄養士),NST | 尾崎 | 1,2 |
3. | 医療現場(理学・作業療法士,言語聴覚士他) | 〃 | 〃 |
4. | 福祉分野(社会福祉士,介護福祉士,ホームヘルパー,ケアワーカー他) | 竹内 | 〃 |
5. | 福祉分野(介護専門職と医療関係者の連携,介護専門職とその他の福祉専門職とのあり方) | 〃 | 〃 |
6. | 福祉分野(母子保健と児童福祉) | 〃 | 〃 |
7. | 行政分野(社会福祉関連,高齢者福祉,障害者福祉関連) | 尾崎 | 〃 |
8. | 行政分野(地域包括支援センター,在宅介護支援センター他) | 〃 | 〃 |
9. | 診療録の読み方と基礎知識・主な医学用語,医科や他職種との連携のための用語 | 〃 | 2 |
10. | 総合的な事例検討(有病者歯科1) | 〃 | 3 |
11. | 総合的な事例検討(有病者歯科2) | 〃 | 〃 |
12. | 総合的な事例検討(高齢者歯科1),摂食・嚥下障害,言語障害 | 中野 | 4 |
13. | 総合的な事例検討(高齢者歯科2),要介護高齢者,ケアマネージメント | 〃 | 5 |
14. | 総合的な事例検討(高齢者歯科3),終末期医療と歯科医療 | 羽田 | 〃 |
15. | 総合的な事例検討(障害者歯科) | 〃 | 6 |
16. | 歯科診療所における受付業務 | 星野 | 7 |
17. | 一般的な作法,日常用語,接遇の基本,様々な場面での応対(ロールプレイング),予診準備,時間約束制とリコール制 | 〃 | 8,9 |
18. | 問診の方法等,面接技法とロールプレイ | 〃 | 10 |
19. | 診療録,POS,個人情報管理について,医療情報の電子化 | 尾崎 | 12 |
20. | 保存・補綴関連(その1) | 〃 | 11 |
21. | 保存・補綴関連(その2) | 〃 | 〃 |
22. | 小児・矯正・口腔外科関連(その1) | 〃 | 〃 |
23. | 小児・矯正・口腔外科関連(その2) | 〃 | 〃 |
24. | 小児・矯正・口腔外科関連(その3) | 吉田 | 〃 |
25. | 総合的な事例検討 | 〃 | 〃 |
26. | 各種指導書,説明書等の発行について,歯科衛生士業務記録について | 星野 | 13,14 |
27. | 歯科衛生プロセスの構成要素,歯科衛生ケアプロセス,歯科衛生診断とは | 尾崎 | 15 |
28. | アセスメント,問題の明確化,計画立案 | 〃 | 〃 |
29. | 実施,評価 | 〃 | 〃 |
30. | まとめ | 〃 | 1-15 |
成績評価の方法
筆記試験の評価点により総合的に判定する.
評価は100点満点で60点以上を合格とする.
再試験
必要に応じて行う.
教科書,参考書
特に指定しない.教科書,文献,図書館,インターネットなどあらゆる教育的資源を使うことを勧める.また日頃より毎日の新聞を読むことを勧める.
教科書は使用しないが,下記に示す参考書など,できるだけ多くの関連書ならびに雑誌を参考にするとよい.
参考資料
最新歯科衛生士教本 高齢者歯科 第1版,全国歯科衛生士教育協議会編,医歯薬出版,2003
高齢者歯科ガイドブック 第1版,医歯薬出版,2003
歯科衛生士のための高齢者歯科学 第1版,永末書店,2005
最新歯科衛生士教本 障害者歯科 第1版,全国歯科衛生士教育協議会編,医歯薬出版,2003
障害者歯科ガイドブック 第1版,医歯薬出版,1999
歯科衛生士のための障害者歯科 第3版,医歯薬出版,2006
疾患別内科エマージェンシー対応 高齢者臨床ナビゲーション 第1版,医歯薬出版,2003
新歯科衛生士教本 歯科診療補助 臨床検査法 第1版,全国歯科衛生士教育協議会編,医歯薬出版,1995
新歯科衛生士教本 歯科診療補助 受付応対・事務 第1版,全国歯科衛生士教育協議会編,医歯薬出版,1994
歯科衛生ケアプロセス 第1版,医歯薬出版,2007
WEBページ
連絡先
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備考
1. | 1∼15回: 2年後期 |
2. | 16∼30回: 平成21年度開講予定 |