口腔疾患予防学実習
Practice of Preventive Oral Health Care Science
形態
実習
一般目標
口腔疾患予防のための基本的知識,技術を習得し,個人あるいは集団を対象として応用できる技能を身につける.
授業概要
口腔疾患予防学実習では,口腔疾患の予防法を理解した上で,実際に診療室や集団応用の場で使用する器具・器材を用いて歯科予防処置が的確に実施できるように教授する.具体的には微生物の基本的な取り扱い方法,観察方法,分離培養方法を学び,さらには口腔内のう蝕や歯周病に関連する細菌を実際に分離,培養,同定する.またう蝕や歯周病の予防処置のために用いる器具・器材の選択,使用,管理ができ,模型上で技術を修練し,さらには相互に実習を繰り返して臨床実習あるいは集団検診等のフィールドの場で実践できるように準備する.
授業方法
実習形式(マネキン,プリントなどを適宜用いる)
授業場所
(2年次前期)月曜4,5,6時限目 8回 第5実習室,(2年次後期)水曜4,5,6時限目(微生物学実習)4回 第1実習室,水曜1,2,3時限目3回 第5実習室
行動目標 (到達目標)
1. | 歯科予防処置に必要な基本的歯科用器具の種類とその取り扱いについて説明する. |
2. | 探針や歯周プローブを用いて歯面や歯周ポケットを触診する. |
3. | 歯垢除去や歯石除去に必要な器具・材料を選択し的確に操作する. |
4. | 手用スケーラーのシャープニングができる. |
5. | 微生物の観察方法を説明できる. |
6. | 口腔細菌の分離培養,同定方法を説明できる. |
7. | 歯面研磨や歯周ポケット洗浄に必要な器具・材料を選択し,的確に操作する. |
8. | 診療室やフィールドで使用する器具・器材の消毒や準備ができる. |
9. | フッ化物の局所塗布,フッ化ジアンミン銀の塗布ができる. |
10. | 小窩裂溝填塞法が実施できる. |
11. | 歯科用器具・器材の安全な取り扱いと,想定される事故に対する対応が説明できる. |
12. | 個人を対象とした適切な歯科保健指導を実施できる. |
授業計画
回 | 大項目 | 中項目 | 内容 | 担当 | 到達目標 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 序論 | 実習の進め方,使用する器具・器材の取り扱い | 実習の進め方,室の使い方,使用する器具・器材の取り扱い,感染対策概略 | 日野出,吉岡,星野,松本 | 1,7 |
2. | 診査用器具 | 診査用器具の取り扱い | ミラーの使い方,スリーウエイシリンジの使い方,フィンガーレストの設置,探針による歯の表面の触診,歯周ポケット測定,位置と姿勢 | 〃 | 2 |
3. | 歯垢除去・歯石除去 | 歯垢除去 | 歯垢付着の判定,スケーラーを用いたマネキン実習 | 〃 | 3 |
4. | 〃 | 歯石除去 | 歯石の検知,スケーラーの種類と選択,スケーラーの基本操作 | 〃 | 〃 |
5. | 〃 | 〃 | 手用スケーラーを用いたマネキン実習Ⅰ | 日野出,吉岡,星野,松本 | 〃 |
6. | 〃 | 〃 | 手用スケーラーを用いたマネキン実習Ⅱ | 日野出,吉岡,星野,松本 | 〃 |
7. | 〃 | 〃 | 超音波スケーラーを用いたマネキン実習 | 〃 | 〃 |
8. | スケーラーの保守管理 | シャープニング | 手用スケーラーのシャープニング | 星野,松本 | 4 |
9. | 細菌学 | 細菌の観察 | 培養,染色,顕微鏡観察 | 三宅,弘田,日野出 | 5,6 |
10. | 〃 | 病原体の検出・同定 | 分離培養,生化学的試験 | 〃 | 〃 |
11. | 口腔細菌学 | 口腔レンサ球菌 | 〃 | 〃 | 〃 |
12. | 〃 | 歯周病関連菌 | 嫌気培養 | 〃 | 〃 |
13. | 歯面研磨・歯周ポケット洗浄 | 歯面研磨 歯周ポケット洗浄,貼薬 | 歯面研磨用器具・材料の選択,基本的手技,マネキン実習 シリンジを用いた洗浄,超音波スケーラーを用いた洗浄,歯周ポケット内貼薬,マネキン実習 | 日野出,吉岡,星野,松本 | 7 |
14-15. | 予防処置 実技試験 | 歯石除去 歯面研磨 | OSCE形式 | 〃 | 1-4 |
16. | 診療準備 | 感染予防 器材準備 患者誘導 | 清潔・不潔の取り扱い 消毒滅菌操作 患者誘導 ポジショニング ライティング | 吉岡,中道,星野,松本 | 8,11 |
17. | 歯垢除去・歯石除去・歯面研磨・歯周ポケット洗浄 | 保健指導・歯垢除去(相互実習) | 歯垢付着状態の診査 患者説明 術者磨き | 中道,星野,松本 | 2,3,8 |
18. | 〃 | 〃 | 歯垢検知 患者説明 歯科用診療器具による歯垢除去 | 〃 | 〃 |
19. | 〃 | 歯石除去・歯面研磨・歯周ポケット洗浄(相互実習) | 手用スケーラーを用いた歯石除去 | 〃 | 2,3,4,7 |
20. | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 |
21. | 〃 | 〃 | 超音波スケーラー | 〃 | 〃 |
22. | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 |
23. | 〃 | 〃 | コントラアングルハンドピース ポリッシングブラシ ラバーカップ その他の歯面研磨用器材 | 〃 | 〃 |
24. | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 |
25. | 〃 | 歯面清掃(相互実習) | 歯面清掃器 エアスケーラー | 〃 | 〃 |
26. | 歯周組織検査 | 歯周組織検査(相互実習) | 歯周組織検査 | 〃 | 2 |
27. | フッ化物の応用 | フッ化物歯面塗布 フッ化物洗口(相互実習) | フッ化物溶液塗布法(綿球法) フッ化物ゲル塗布法 フッ化物洗口法 | 〃 | 9, 11 |
28. | 小窩裂溝填塞法 | 小窩裂溝填塞法(相互実習) | 小窩裂溝填塞法 | 〃 | 10 |
29-30. | 保健指導 実技試験 | 個人を対象とした保健指導 | OSCE形式 | 日野出,吉岡,中道,星野,松本 | 12 |
成績評価の方法
全回出席を原則とする. 3年次前期の実習終了時点で,実習態度および実技試験の評価点により総合的に判定する.
評価は100点満点で60点以上を合格とする.
再試験
必要に応じて行う.
教科書,参考書
歯科予防処置 新歯科衛生士教本第2版,医歯薬出版,2006
参考資料
歯科保健指導 新歯科衛生士教本第1版,医歯薬出版,2007
WEBページ
連絡先
日野出 大輔 (hinode@dent.tokushima-u.ac.jp/6F口腔保健学科・第4研究室/633-7543)
- オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
三宅 洋一郎 (miyake@dent.tokushima-u.ac.jp/4F口腔細菌学・教授室/633-7329)
- オフィスアワー: 月∼金16:00∼18:00
弘田 克彦 (hirota@dent.tokushima-u.ac.jp/4F口腔細菌学・セミナー室/633-7330)
- オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
吉岡 昌美 (masami@dent.tokushima-u.ac.jp/6F口腔保健学科・第4研究室/633-7543)
- オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
星野 由美 (star-dh-hoshino7@dent.tokushima-u.ac.jp/6F口腔保健学科・第3研究室/633-7898)
- オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
松本 尚子 (naokom@dent.tokushima-u.ac.jp/6F口腔保健学科・第3研究室/633-7898)
- オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
備考
1. | 1∼8回: 2年次前期 月曜4,5,6時限目 |
2. | 9∼12回: 微生物学実習 2年次後期 水曜4,5,6時限目 |
3. | 13∼15回:2年次後期 水曜1,2,3時限目 |
4. | 16∼30回:平成21年度開講予定 |