2008年度 医学部 医学科 学部課程 — 3年(前期)

医学入門 / 医学心理学

教授・大森 哲郎

目的

1. 医療行為のなかの心理的側面を理解し,患者の心理面にも関心を持つ習慣を養う.
2. 医学と関連の深い心理学諸分野に関し基本的な理解を持つ.
3. 脳と心の関係と心理相関のメカニズムについて基本的な理解を持つ.

概要

臨床医学は人体の構造と機能に立脚していることは言うまでもないが,実際の医療行為は医師と患者の人間関係の上において成立する.医師は人体の構造と機能に関する十分な理解とともに,患者のおかれている立場と心理を理解する必要がある.
また患者の心理は心身相関作用をとおして身体疾患の症状や予後に大きな影響を持つ.臨床医は,病人を心身一如の存在として理解しなければならない.

授業方法

スライド,プリント,ビデオなどを用いて講義が行われる.

目標

1.医学全体における医学心理学の占める位置と役割を説明できる.
2.人間,社会,文化と現代医療の関係を説明できる.
3.医療技術と患者の心理について説明できる.
4.心理的発達の基本を説明できる.
5.精神力動と精神療法(カウンセリング,認知療法,音楽療法など)の基本を説明できる.
6.脳局在機能と心の関係について説明できる.
7.心身相関の基本を説明できる.
8.疼痛・摂食・睡眠における心理的側面を理解する.
9.治療者・患者・家族関係について理解する.

計画

項目
1.医療と心理学(総論)
2.ライフサイクルと発達過程
3.思春期の心理
4.スクールカウンセリング
5.精神分析
6.認知療法
7.音楽療法
8.心身相関の基礎
9.神経心理学(脳局在機能と心)
10.痛みと患者心理
11.食の心理
12.告知と死の臨床
13.治療者・患者・家族の関係看護の立場から
14.チーム医療の基本(看護師,保健師,薬剤師,心理士,作業療法士,理学療法士などの役割の理解)
15.心と脳(まとめ)

評価

レポート提出

教科書

教科書の指定はしない.適宜,推薦図書を紹介する予定である.

連絡先

大森 哲郎 (633-7130) tohmori@clin.med.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 金曜日午前中

備考

講義は教授,准教授,講師,助教,非常勤講師,臨床心理士および看護師が担当する.