2008年度 医学部 医学科 学部課程 — 2年(前期)

基礎医学(1) / 組織学・組織学実習

教授・石村 和敬

目的

さまざまな生命現象が起こる場としての人体の構造および形態について,肉眼レベルから電子顕微鏡レベルまで学習する.形態と機能との関係を正しく理解し,正常とそうでない状態がどのように異なるかを見分けるための能力を身につける.

概要

人体の成り立ちを理解する.特に組織学では人体の,肉眼レベルから光学顕微鏡レベル,さらに電子顕微鏡レベルにおける形態と構造を学び,機能との関連を理解する.常に人体全体との関係において把握するようにする.

授業方法

講義:板書,プリント,スライド,OHP,パワーポイント

実習:光学顕微鏡標本および電子顕微鏡写真の観察とスケッチ,TV モニターによる説明

目標

1.細胞の構造と機能について図を用いて説明できる.
2.組織の成り立ちについて図を用いて説明することができる.
3.人体各部の組織構造を図を用いて説明することができる.
4.人体各部の組織構造と機能との関係を説明することができる.
5.人体各部の組織標本の所見を述べ,その組織がどの臓器のものか指摘できる.
6.主要な組織・細胞の電子顕微鏡写真について所見を説明することができる.
7.光学顕微鏡を正しく操作し,標本を観察することができる.
8.光学顕微鏡標本の作製法を説明できる.

計画

大項目中項目内容
1.組織学総論概論
人体の成り立ち(器官,組織,細胞)
2. 〃細胞学
細胞の構造と機能,細胞の生活現象
3. 〃組織学
概念,上皮組織,支持組織(結合組織,軟骨組織,骨組織,血液),筋組織,神経組織
4.組織学各論脈管系
毛細血管,動脈,静脈,心臓,リンパ管
5. 〃リンパ性器官
リンパ節,扁桃,胸腺,脾臓
6. 〃造血器
骨髄
7. 〃消化器系
消化管(口腔∼肛門)と消化腺(唾液腺,肝臓,膵臓)
8. 〃呼吸器系
気道(鼻腔∼気管支),肺
9. 〃泌尿器系
腎臓,尿路(腎盤∼尿道)
10. 〃男性生殖器
精巣,副睾丸,精管,精嚢,前立腺,外性器
11. 〃女性生殖器
卵巣,卵管,子宮,腟,外陰部,胎盤
12. 〃内分泌系
視床下部-下垂体,松果体,甲状腺,上皮小体,ランゲルハンス島,副腎,消化管の内分泌細胞
13. 〃皮膚
皮膚とその附属器(角質器と付属腺)
14. 〃感覚器系
視覚器(眼球と付属器),平衡・聴覚器,味覚器,嗅覚器

評価

1. 実習スケッチのチェックと採点, 2. 組織学試験(論述), 3. 組織学実習試験(組織標本の写真及び電子顕微鏡写真を用いる)

教科書

藤田尚男・藤田恒夫:標準組織学総論(第4版),標準組織学各論(第3版),医学書院,石村和敬・井上貴央監訳:最新カラー組織学,西村書店,Don W. Fawcett:Bloom & Fawcett-A Textbook of Histology(12th Ed.)(Chapman & Hall),岡本・藤田・石村訳:実習人体組織学図譜(第5版),医学書院,広沢一成:組織学カラーアトラス,医学書院,坂井建雄・石村和敬訳:カラーアトラス顕微鏡写真で見る細胞組織学,メディカルサイエンスインターナショナル

連絡先

石村 和敬 (633-7049) ishimura@basic.med.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 火・金 12:00∼13:00

備考

講義は石村和敬教授,樋田一徳准教授,中村教泰講師が主として担当するほか,学外の非常勤講師による特別講義を数回行う.実習は石村和敬教授,樋田一徳准教授,中村教泰講師が担当する.