2008年度 医学部 医学科 学部課程 — 3年(前期, 後期)

基礎医学(2) / 病理学・病理学実習

教授・泉 啓介

目的

病理学総論general pathology では細胞障害,腫瘍,老化といった基本的病変の原因etiology や発生機構pathogenesis,形態学的変化morphologic changesを,臓器病理学systemic pathology では,肝臓,胃といった臓器ごとに様々な病気についてその原因,発生機構,形態学的変化,診断方法などを学ぶ.

概要

病理学総論の講義と実習,臓器病理学の講義と実習から成り,実習では臓器の肉眼観察と顕微鏡観察を行う.講義では病理解剖の役割,病理医pathologistの役割,病気の原因究明のために用いている疾患モデル動物の役割にも触れる.

授業方法

講義:プリント,スライド

実習:肉眼および組織標本の観察・スケッチ (カラーコピーを配布)

病理解剖見学(病理解剖室):白衣を用意する

目標

1.腫瘍の原因,分子機構,形態学的多様性,がん予防について説明できる.
2.細胞障害と再生の分子機構,形態学的所見を説明できる.
3.老化の分子機構,早老症について説明できる.
4.小児疾患の染色体異常,特徴を説明できる.
5.消化器,呼吸器,循環器,泌尿器・生殖器の病気について原因,分子機構,形態学的変化を説明できる.

計画

大項目中項目内容担当者
1.病理学総論概論・病理解剖
2. 〃細胞障害
細胞障害機構,細胞の適応
上原
3. 〃再生・創傷治癒
細胞周期,創傷治癒機構
4. 〃腫瘍
原因・疫学,形態学,発がん機構
5. 〃小児・老化坂東,泉
6.臓器病理学消化器
食道,胃,小・大腸,肝・胆・膵
7. 〃呼吸器
鼻腔,肺
上原
8. 〃循環器
心臓,血管
9. 〃泌尿器
腎臓,膀胱
10. 〃男性・女性生殖器
精巣,前立腺,卵巣,子宮
泉,坂東

評価

1. 筆記試験,2. 実習レポート

教科書

特に指定はしないが,以下の教科書・アトラスがよい.病理学の授業で初めてヒトの様々な疾患の概念について学ぶことになるので,定評がある教科書を購入することが望ましい.

Pathologic Basis of Disease(Elsevier-Saunders),病態病理学(南山堂),標準病理学(医学書院),組織病理アトラス(文光堂)

連絡先

泉(088-633-7065, izumi@basic.med.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 指定しない
上原(088-633-7066, uehara@basic.med.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
坂東(088-633-7066, yoshimi@basic.med.tokushima-u.ac(no-spam).jp)