生活と社会 / ゼミナール「法学入門」
Living and Society / Introduction to Jurisprudence
平成19年度以前の授業科目:『生活と社会 / ゼミナール「法学入門」』
平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『社会科学ゼミナール / ゼミナール「法学入門」』
准教授・西川 義晃
2単位
火(1・2) 全(全)授業のタイプ
演習
授業の目的
法律学は法律の解釈•適用にかかわる学問であることはもちろんですが,それだけに止まりません.すなわち,法律学を学ぶ目的として「リーガル•マインド」を養うことが挙げられます. 「リーガル•マインド」とは,大まかには,問題の所在•議論の対立する論点を分析•整理し,その論点について根拠に基づき論理的に結論を導く能力であるといえます.さまざまな要素を考慮し,複数の見解を参考にして,自分の頭で考えるということです.また,法律学には「正しい」答えがありません.もちろん良識にかなった答えである必要はありますが,根拠が説得的であるか否かが問われるのです. 本講義では,実際の裁判例を受講者で検討するほか,こうした法学の感覚を体験的に学習します.これらの学習を通して法的な思考の一端に触れることを目的とします.
授業の概要
本講義では,大きく5つの項目を扱います.第1に,実際に起きた事件や架空の設例について,その解決方法を検討します(講義計画中,法学入門①③).ここでは数人のレポーター(報告者)を指名し,レポーターは割り振られた事件についてレジュメ(報告内容を手短にまとめたもの)を作成•配付することが求められます.第2に,平成21年スタート予定の裁判員制度について学習し,関連するビデオを鑑賞すると共に,実際に有罪・無罪の判定を体験するプログラムを実施します(法学入門②).第3に,消費者被害に関する法制度を扱います.ここでは講義で得た知識を前提に,「悪質商法対策ゲーム」を使用します(法学入門④).第4に,受講者が関心を持つ諸問題について法的な側面から考察したいと思います.受講者から希望が出されない場合,死刑制度,報道被害と人権問題,代理母など,最近話題になったテーマを扱います(法学入門⑤).いずれも,各受講者は予習の上ゼミナールに参加し,レポーターの報告を元に裁判所の判断等,教材について検討することが求められます.
キーワード
法学入門,裁判員制度,消費者保護
受講者へのメッセージ
学生諸君の主体的な参加が求められるので,熱心に参加する学生を希望します.また,法律に関心のある人は,共通教育で開講されている他の法律系科目も合わせて受講して下さい.
到達目標
1. | 議論に参加できるようにする. |
授業の計画
1. | ガイダンスー講義の進め方等 |
2. | 法学入門① 米倉明『法学入門』(東京大学出版会•1973年) から判例1 |
3. | 同上 判例2 |
4. | 同上 判例3 |
5. | 法学入門② 裁判員制度の概要と実際 |
6. | 同上 法廷に関する映画ビデオの鑑賞「12人の怒れる男」(アメリカ•1957年)を予定 |
7. | 同上 体験型講義 |
8. | 法学入門③ 道垣内正人『法学入門〔3版〕』(有斐閣•2007年)から問題2 |
9. | 同上 問題4 |
10. | 同上 問題7 |
11. | 法学入門④ 消費者契約問題の概要の報告 |
12. | 同上 報告の続きと,体験型講義「悪質商法対策ゲーム」 |
13. | 法学入門⑤ 受講者が関心を持つ諸問題 |
14. | 同上 |
15. | 〃 |
16. | 予備日 |
成績評価の方法
試験は行いません.出席,報告内容,議論への参加状況などを総合的に勘案して評価します.
再試験の有無
本講義はゼミナール形式ですので,ゼミナールにおける一般的な成績評価,すなわち「成績評価の方法」欄に書かれているような成績評価をします.再評価(再試験等)は行いません.
教科書
使用する資料はこちらで用意します.
参考書
適宜,指示します.