2009年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(前期)

生活と社会 / 変革の理論の諸類型

Living and Society / Types of the Theories on the Revolution

平成19年度以前の授業科目:『生活と社会』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『生活と社会 / 変革の理論の諸類型』

教授・吉田 浩

2単位

 月(13・14) 夜間主(夜間主)

授業の目的

変革の理論というものは,既存の社会を固定的,硬直的に捉えるのではなくて,それを乗り越えて,新たな可能性のある社会,新しい展望を切り開く社会の創造をめざすものであって,それだけに変革の理論というものは我々にとり魅力があり,興味の尽きないものである.しかしながら現実には様々の類型の変革の理論が存在しており,人々を盲動に導きかねないような理論もある.様々の変革の諸理論を比較・対照して検討しながら,どの変革の理論が多くの人々に展望と希望を与えるものであるかを考えていく.

授業の概要

M・ウェーバーの「カリスマ革命論」,そして「外部からの革命論」と,マルクスが『資本論』で展開している変革の理論とを比較・対照させていきたいのだが,そのためにもシュムペーターの「創造的破壊」といういま一つの変革の理論を両者の間に導入して,それぞれの変革の理論の特徴と問題点,またどの変革の理論が将来に対して確実で切実な展望を与えるものであるかを考察していく.

キーワード

カリスマ革命,外部からの革命,創造的破壊,生産革命,弁証法

受講者へのメッセージ

少々難解でも,旺盛な知的関心をもってくらいついてくる学生諸君を歓迎する.

到達目標

1.変革の理論といっても,人々を盲動に導きかねない危険な理論もあるし,多くの人々に力強い展望と希望を与える理論もある.科学はこの点の区別をいかになしえるか,このことを学ぶ.

授業の計画

1.初めに
2.三類の変革理論の同一性と差異性(一)
3.同上
4.三類の変革理論の同一性と差異性(二)
5.同上
6.シュムペーターにおける「一定条件に制約された経済の循環」
7.同上
8.シュムペーターにおける「革新の経済学」
9.同上
10.ウェーバーにおける「内部からの革命」としてのカリスマ革命論
11.同上
12.ウェーバーにおける「外部からの革命」と利潤問題
13.マルクスにおける変革理論
14.同上
15.試験
16.総括授業

成績評価の方法

試験と講義内容に対する疑問,問題点を指摘する小レポートとによって総合的に評価する.疑問,問題点の指摘に対しては講義で答える

再試験の有無

教科書

吉田浩著『ウェーバーの社会理論と意味・価値問題』(晃洋書房2007)の第4章.ただし本書は高価(3300円+税)であるので,購買できない者にはコピーをわたす.

参考書

吉田浩著『ウェーバーとヘーゲル,マルクス』(文理閣,2005年)

連絡先

吉田浩(2240,088-656-7198,メールアト レスyoshida@ias.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 月曜日12時∼13時,吉田浩研究室(総合科学部1号館南棟2階)