2009年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(後期)

歴史と文化 / 方言と社会

History and Culture / Japanese Dialects and Society

平成19年度以前の授業科目:『歴史と文化』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『歴史と文化 / 方言と社会』

教授・岸江 信介

2単位

 木(3・4) 全(全)

授業の目的

ことばと地域,ことばと社会のそれぞれの関わりという点から考え,方言の特色について学ぶ.自分がこれまでに使ってきたことばについて振り返り,ことばに対する興味をさらに深めていただきたい.

授業の概要

前半では東西日本の方言の対立について言語地図を紹介しながら概説する.後半では西日本の代表格である大阪のことばについて取り上げ,大阪府の方言分布について学ぶ.また,大阪方言と四国方言,とりわけ徳島方言との比較を行い,類似点と相違点について具体例をあげて解説する.方言と社会との関連では,特に敬語を取り上げ,大阪方言と徳島方言での敬語の違いについて解説を行う.

受講者へのメッセージ

授業への出席を重視する.ことばに対する質問などをカードに記載し,提出してもらうことがある.自分のことばを振り返るために談話資料の 作成をレポートとして課する.

到達目標

1.日本の諸方言について学習する.
2.方言と社会とのかかわりについて学ぶ.

授業の計画

1.方言とは何か.方言の成立について考える.
2.方言は消滅するか.危機言語について考える.
3.日本の方言について考える(1)-東西方言の対立-
4.日本の方言-方言敬語にみられる全国分布-
5.社会とことば-敬語を題材として-
6.西日本における関西中央部方言の位置づけ
7.大阪語とは何か
8.大阪のことぱ地図(1)-ことばの地域差・世代差・男女差-
9.大阪のことぱ地図(2)-「ことば地図を読む」語彙編-
10.大阪のことぱ地図(3)-「ことば地図を読む」文法編1-
11.大阪のことぱ地図(4)-「ことば地図を読む」文法編2-
12.大阪のことぱ地図(5)-「ことば地図を読む」音声編-
13.大阪のことぱ地図(6)-大阪方言の四国方言への影響-
14.大阪のことぱ地図(7)-大阪方言と四国方言の類似性-
15.大阪のことぱ地図(8)-近世上方語と四国方言-
16.まとめ

成績評価の方法

出席(30%),レポート(60%),ミニ調査(10%)の割合で評価する. *ミニ調査とはインターネットや図書館などで用語調べや資料収集 を行うこと.

再試験の有無

教科書

岸江信介・中井精一・鳥谷善史『大阪のことば地図』(和泉書院)2009年9月刊行予定

連絡先

岸江(088-656-9309, kishie@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 火曜日12時∼13時 総合科学部1号館中棟3階(2307)

備考

社会人ボランティアの参加要請(10名程度)・・・大阪弁や徳島弁など,地域方言に興味がある方で授業補助をして下さる社会人ボランティアの方を募集しています.