2009年度 工学部 機械工学科 夜間主コース — [必修] 2年(前期)

機械材料学

Engineering Materials

教授・岡田 達也

2単位

目的

機械部品を構成する材料の基本的性質を,鉄鋼材料に重点を置いて講義する.術語の丸暗記ではなく,合金の平衡状態図の読み取りや,熱処理に伴う鉄鋼の微細組織の変化について理解させることに重点を置く.

概要

相や固溶体などの基本的な概念について解説した後,合金の平衡状態図の読み取りについて具体例を多く用いて理解させる.材料各論では熱処理を利用した鉄鋼材料の微細組織制御とその応用に重点を置いて解説する.

キーワード

平衡状態図,等温変態線図(TTT線図),連続冷却変態線図(CCT線図),鉄鋼材料

関連科目

機能性材料

要件

材料入門や構造の力学の講義を通して,材料の微細構造や強度に関する基本的な概念を理解していること.

注意

ほぼ2回に1回の割合で簡単な演習問題を行う.読みとり問題や計算問題に備えて,目盛りのついた三角定規と関数電卓を忘れずに持参すること.

目標

1.二元合金平衡状態図の読み取りができること.特に相の成分·割合が求められること.
2.鉄鋼材料の焼き入れ·焼き戻しに関する基本的な知識を修得すること.
3.代表的な鉄鋼材料のJIS記号について説明できること.

計画

1.機械材料学とは何か/相と固溶体
2.熱分析による状態図作成
3.状態図の読み取り
4.凝固の基礎
5.共晶合金の組織形成
6.炭素鋼の状態図
7.鉄鋼材料の微細組織形成
8.パーライト変態の機構/中間試験
9.TTT線図の読み取り
10.鋼のマルテンサイト
11.CCT線図の基礎
12.実用的な鋼のTTT線図,CCT線図
13.材料の機械的性質の評価
14.各種鉄鋼材料1
15.各種鉄鋼材料2
16.期末試験

評価

受講姿勢を平常点として10%,中間試験および期末試験の成績をそれぞれ40%,50%として評価し,合計で60%以上を合格とする.授業中に質問に答えた場合は,適宜平常点として追加する.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

キャリスター著(入戸野監訳)材料の科学と工学[1]材料の微細構造(培風館)

参考資料

大和久著「鉄鋼材料選択のポイント」(日本規格協会)

連絡先

岡田(M616, t-okada@me.tokushima-u.ac(no-spam).jp)

備考

再試験(全講義範囲)は同一年度内に1回のみ行う.