有機化学2
准教授・宇都 義浩
2単位
目的
有機化学とは,有機化合物すなわち炭素化合物に関する学問であり,物理学とともに生物を理解する上で必須な学問である.なぜなら,膨大な化学反応の積み重ねの基に生命の営みがあり,有機化合物の分子構造の理解と化学反応の原理の修得が生命機能を解明するために必要であるからである.よって,本科目では有機化合物の立体構造と反応性を修得することを目的とする.
概要
前半では,分子模型を用いた立体化学,求核置換反応,脱離反応について講義する.後半では,芳香族求電子置換反応,カルボニル化合物を主体に種々の官能基をもつ化合物の性質と反応性について講義する.
キーワード
立体化学,反応機構,芳香族化合物,カルボニル化合物
先行科目
要件
有機化学1を履修していること.
注意
有機化学を学ぶためには,できるだけ多くの反応機構を記述して覚えることと分子模型を使って立体的に考えることが不可欠である.このため,分子模型も毎回用意してくること.また授業で課した課題を復習し,必ずノートに記述して完成させること.
目標
1. | 極性反応における電子の流れ(反応機構)を正しく記述できる. |
2. | カルボニル化合物の性質と反応機構を正しく記述できる. |
計画
1. | 導入教育,立体化学(教科書p.287∼295) |
2. | 絶対配置,立体異性体(教科書p.295∼317) |
3. | ハロゲン化アルキル(教科書p.329∼349) |
4. | 求核置換反応(SN2及びSN1反応) (教科書p.358∼384) |
5. | 脱離反応(E2及びE1反応) (教科書p.384∼398) |
6. | ベンゼンと芳香族性(教科書p.523∼546),中間試験 |
7. | 芳香族求電子置換反応(教科書p.556∼595) |
8. | アルコールとフェノール(教科書p.618∼655) |
9. | エーテルとエポキシド,チオールとスルフィド(教科書p.671∼693) |
10. | アルデヒドとケトンの求核付加反応(教科書p.715∼758) |
11. | カルボン酸とニトリル(教科書p.775∼796) |
12. | カルボン酸誘導体と求核アシル置換反応(教科書p.809∼844) |
13. | カルボニルα置換反応(教科書p.860∼883) |
14. | カルボニル縮合反応(教科書p.895∼922) |
15. | 期末試験(到達目標全ての一部評価) |
16. | 答案の返却と講評 |
評価
授業に8割以上出席した者を評価の対象とする.中間試験(30%)および期末試験(70%)で評価する.
対象学生
開講コース学生のみ履修可能
教科書
J. McMurry 著「マクマリー有機化学(上) 第6版」「マクマリー有機化学(中) 第6版」東京化学同人
教材:分子模型「HGS Biochemistry Molecular Model, Student Kit」丸善
参考資料
橋本,村上,加納著「基礎有機反応論」三共出版
太田,西山著「ビギナーのための有機合成反応」三共出版
連絡先
- オフィスアワー: 木曜日 16:20-17:50
備考
原則として再試験は実施しない