2009年度 工学部 電気電子工学科 昼間コース — [選択必修(B)] 2年(前期)

システム基礎

Basic Theory of Systems

教授・久保 智裕

2単位

目的

制御理論を学ぶための基礎としてダイナミカル·システムのふるまいを解析する方法を修得させる.

概要

各種のダイナミカル·システムを状態方程式によって統一的に記述する方法を示し,線形システムの解の性質について述べる.つぎにラプラス変換を導入して伝達関数を定義し,ブロック線図を用いてシステムの構造を記述する方法を解説する.また伝達関数を用いて単位ステップや単位インパルスといった基準入力に対する過渡応答の求め方について述べ,特性方程式の係数にもとづく安定判別法を紹介する.(講義形式)

キーワード

状態方程式,伝達関数,過渡応答

先行科目

電気数学演習,基礎数学 / 線形代数学I

要件

「電気数学演習」,「線形代数学Ⅰ」の履修を前提として講義を行う.

注意

原則としてすべて板書によって講義を進めるので,ノートをしっかりとること.もし欠席してしまったら,次の講義までに他の学生のノートを写させてもらっておくこと.また,予習・復習を行うこと.宿題の提出をもって出席とする.

目標

1.さまざまなダイナミカル·システムを状態方程式によって表すことができ,線形システムの解の性質を理解している.ラプラス変換の使用法を習得し,伝達関数を求めることができる.
2.ブロック線図によりシステムの構造を記述する方法を理解している.状態方程式または伝達関数で表現されるシステムの過渡応答を計算することができる.特性方程式の係数から安定性を判別する方法を習得している.

計画

1.ダイナミカル·システムとはどのようなものか
2.さまざまなシステムに対する状態方程式の導出
3.状態方程式の解を求める
4.単位ステップ応答と単位インパルス応答
5.ラプラス変換とその性質
6.ラプラス変換を用いた微分方程式の解法
7.伝達関数を用いた線形システムの表現
8.前半のまとめ
9.前半試験
10.ブロック線図によるシステム構造の記述
11.行列指数関数の計算
12.伝達関数を用いた過渡応答の計算法
13.特性方程式に基づく安定判別法
14.制御工学の体系
15.後半のまとめ
16.後半試験

評価

試験80%(前半試験40%,後半試験40%)平常点20%(小テスト・宿題等)で評価し,全体で60%以上あれば合格とする.補充試験を行う場合もある.

JABEE関連

(D)専門基礎60%,(E)専門分野(電気電子システム)40%

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

使用しない.

参考資料

制御工学のテキストは数多い.伝達関数と状態方程式を両方扱っているものならば,いずれでもよい.

連絡先

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