2009年度 工学部 電気電子工学科 昼間コース — [必修] 3年(後期)

電気電子工学実験1

Electrical and Electronic Engineering Laboratory (I)

教授・森田 郁朗, 准教授・下村 直行, 准教授・安野 卓, 准教授・川田 昌武, 准教授・北條 昌秀, 助教・寺西 研二

1単位

目的

各テーマに関する実験および口頭試問により,各実験の基礎的な事項や物理的な意味を理解し,実際の物としての理解を深め,その考え方を修得する.また,実験方法と結果の整理方法についても学修する.

概要

電気機器関係および電力関係の基礎的実験として,下記の6テーマについて,実験内容·実験方法·実験結果を検討·考察し,各テーマの講義内容と合わせて理解をより一層深める.なお,実験実施日の前の週に,各テーマごとの予習事項について,自ら考え理解しているかに関して,指導教員から口頭試問を受ける.また,実験実施日の次の週に,各テーマごとの実験結果およびその考察に関して,指導教員からの口頭試問を受ける.

キーワード

直流電動機,変圧器,誘導電動機,サイリスタ整流回路,伝達関数,送電線路,配電線路

要件

「電気磁気学2」,「電気回路1,2」,「過渡現象」,「電気機器1,2」,「制御理論1」を履修していることが望ましい.

注意

実験前に必ずレポートの[実験内容,原理および実験方法]の項を記述しておくこと.また,実験実施日の前後の週にある口頭試問に対して,十分に予習復習をしておくこと.

目標

1.各実験テーマについて,次の4つの評価目標が達成されることを目標とする.
2.各テーマに対する予習·復習を通して,自ら調べ,自ら考え理解する力をつけること.
3.実験対象の特性および原理を理解すること.
4.計画的かつ安全に実験を実行し,実験対象の特性の検証に必要なデータの収集ができること.
5.図·表による実験方法および実験結果の表現法を修得し,実験内容に基づいた理論的なレポートとしてまとめられること.

計画

1.直流他励電動機に関する実験; 直流他励電動機の無負荷飽和特性試験および実負荷特性試験を行う.これより,直流他励電動機の基礎特性を理解し,さらに電圧制御時および界磁制御時の速度-トルク特性の違いも把握する.
2.変圧器および誘導電動機に関する実験; 変圧器の無負荷試験·短絡試験·負荷試験および誘導電動機の無負荷試験·拘束試験を行い,両者の試験結果の相違点の物理的意味を考える.さらに,試験結果から両者の等価回路の回路定数を導出し,これより特性計算を行いその基礎特性を把握する.
3.サイリスタ整流回路に関する実験; サイリスタ単相全波整流回路について,位相制御特性を実測し理論値と比較検討する.これより,位相制御特性および瞬時値と平均値·実効値の考えを理解する.また,動作波形の観測から整流回路動作の理解を深める.
4.伝達関数の測定に関する実験; パソコンを使用して,RC回路および直流他励電動機の伝達関数を,周波数応答法および過渡応答法により求める.これより,伝達関数の基礎的事項を理解するとともに,非線形摩擦や電機子インダクタンスの影響を考える.また,パソコンを計測に使用する場合の注意点や方法なども理解する.
5.模擬送電線路に関する実験; 短距離送電線の電圧降下と,電力円線図に関する実験を行う.交流理論の基礎を再確認するとともに,電力円線図の作成を通して送電線による電力輸送に関して理解を深める.
6.模擬配電線路に関する実験; 単相三線式配電方式についての理解を深める.

評価

到達目標が各々達成されているかを各レポートと口頭試問の成績を合わせて100%で評価し,全体平均60%以上で合格とする.

JABEE関連

(D)専門基礎35%,(E)専門分野(電気エネルギー)65%

対象学生

開講コースと同学科の夜間主コース学生も履修可能

教科書

実験のテキスト(プリント)

参考資料

各テーマの内容に関係する講義の教科書および電気工学ハンドブック(オーム社)など.

連絡先

森田(E棟2階北 B-3, 088-656-7451, morita@ee.tokushima-u.ac(no-spam).jp)

備考

レポートの内容によっては再提出を求められることがある.なお,電気主任技術者の資格申請に必要な科目であり,将来,本資格の取得を考えている者は受講し単位を修得しておく必要がある.