もの作り創造材料学
Engineering Materials
目的
機械部品を構成する材料の基本的性質を，金属材料に重点を置いて講義する．術語の丸暗記ではなく，合金の平衡状態図やTTT線図，CCT線図の読み取りを通して，熱処理に伴う合金の微細組織変化について理解させる．
概要
金属材料の組織に関する基本的な術語について解説した後，合金の平衡状態図の読み取りを，具体例を多く用いて理解させる．材料各論ではTTT線図，CCT線図の読み取りを通して，熱処理を利用した鉄鋼材料の微細組織制御とその応用に重点を置いて解説する．
キーワード
平衡状態図，等温変態線図(TTT線図)，連続冷却変態線図(CCT線図)
要件
材料力学等の講義を通して，材料の変形や強度に関する基本的な概念を理解していること．
注意
ほぼ毎回簡単な演習問題を行う．読み取り問題や計算問題に備えて，目盛りのついた三角定規と関数電卓は忘れずに持参すること．
目標
| 1. | 二元合金平衡状態図の読み取りができること．特に各相の成分·割合が求められること． |
| 2. | TTT線図，CCT線図の読み取りを通して，鉄鋼材料の内部微細組織の変化が予想できること． |
| 3. | 各種材料のJIS記号について説明できること． |
計画
| 1. | 機械材料学とは何か/相と状態図 |
| 2. | 状態図読み取りの基礎 |
| 3. | 共晶型状態図 |
| 4. | 鉄-炭素合金状態図 |
| 5. | TTT線図 |
| 6. | 鋼の焼き入れ·焼き戻し |
| 7. | CCT線図 |
| 8. | 各種合金鋼のTTT線図，CCT線図/中間試験 |
| 9. | 金属材料の機械的性質の試験法 |
| 10. | 各種鉄鋼材料1 |
| 11. | 各種鉄鋼材料2 |
| 12. | 各種鉄鋼材料3 |
| 13. | 各種鉄鋼材料4 |
| 14. | アルミニウム合金 |
| 15. | その他の非鉄金属材料 |
| 16. | 期末試験 |
評価
受講姿勢を平常点として10%，中間試験および期末試験の成績をそれぞれ30%，60%で評価し，合計で60%以上を合格とする．講義中に質問に答えた場合は適宜平常点として追加する．
JABEE合格
【成績評価】と同一である．
JABEE関連
(B)に対応する．
対象学生
開講コース学生のみ履修可能
教科書
キャリスター著(入戸野監訳)「材料の科学と工学[1]材料の微細構造」(培風館)
打越二弥著「図解・機械材料・第3版」(東京電機大学出版局)
参考資料
大和久重雄著「鉄鋼材料選択のポイント」(日本規格協会)
連絡先
高木(M620, 088-656-7360, takagi@me.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 金曜日 17:00-18:00
岡田(M616, t-okada@me.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
備考
| 1. | 再試験(全講義範囲)は年度内に1回のみ行う． |
| 2. | 教科書のうち「材料の科学と工学[1]」は後期開講の「材料科学」においても使用する． |