量子化学
Quantum Chemistry
教授・金崎 英二
2単位
目的
系を微視的に記述する方法について述べる．特に，原子や分子の電子構造を記述する為の基礎的な方法につて述べる．シュレディンガー波動方程式以降の量子論の基礎概念を，系を拡張しながら順次，段階的に述べる．但し，水素原子の取扱いは，既に量子力学で学習済みなので，簡単に触れるに留め，分子についての記述を主にする予定である．基礎物理化学，物理化学両科目に引き続き，物理化学の学問体系の中で，もっとも新しく，今日盛んに拡張しつつある分野を理解する為の基礎的事項を述べる．時間の余裕があれば，分子の対称性の議論等についても触れたい．
概要
量子化学の基礎について述べる．
関連科目
注意
英文の教科書を使用するので予習及び復習すること． パソコンで表計算し，結果をグラフ化する準備をしておくこと．
目標
| 1. | 量子化学の基礎的概念を理解できる |
| 2. | 量子化学の基礎的概念を用いて簡単な系を記述できる |
| 3. | 実在の系について量子化学的推論ができる |
計画
| 1. | この講議について |
| 2. | 第10章 原子構造と原子スペクトル，水素類似原子 |
| 3. | 動径波動関数，原子軌道とその軌道エネルギー |
| 4. | 原子軌道，動径分布関数，三つのp-軌道 |
| 5. | 電子遷移での選択則 |
| 6. | 多電子原子の構造，軌道近似 |
| 7. | パウリの原理，遮蔽 |
| 8. | 複雑な原子のスペクトル，一重項と三重項状態 |
| 9. | 第11章 分子構造，ボルン-オッペンハイマー近似 |
| 10. | 分子軌道法，水素分子イオン |
| 11. | 等核二原子分子 |
| 12. | 異核二原子分子 |
| 13. | 多原子分子の分子軌道 |
| 14. | 共役パイ電子系 |
| 15. | 第20章 固体状態，電気的性質 |
| 16. | 定期試験 |
評価
定期試験と平常点とレポート(宿題)で成績評価．レポート提出期限は次回講議の開始時刻である．期限後に提出されたレポートは評価しない．最終評価に占める定期試験とそれ以外の評点の割合は40対60である．
JABEE関連
本学科学習・教育目標(A:○)，(B:◎)に対応する．
対象学生
開講コース学生のみ履修可能
教科書
P..Atkins, J.Paula, Physical Chemistry, 8th ed., Oxford University Press, 2006. 改訂版が出たらそちらを教科書にします．
参考資料
講義の中で適宜紹介する．
連絡先
金崎(化516, 088-656-9444, kanezaki@chem.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 年度毎に学科の掲示板を確認すること
備考
授業予定は変更される場合がある