2009年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 2年(前期)

2009年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 2年(前期)

天然医薬品学1

Natural Medicines 1

准教授・柏田 良樹

1単位

形態

講義

目的

薬として用いられる動物・植物・鉱物由来生薬の基本的性質を理解するために,それらの基源,性状,含有成分,生合成,品質評価,生産と流通.歴史的背景などについての基本的知識を修得する.本授業に関連する基本的技能は生薬学実習で取得する.

概要

天然医薬品を理解するため,生薬とは何かを学び,その原料となる薬用植物,植物以外の医薬資源について学ぶ.次いで生薬に含まれる成分の構造と生合成について学ぶ

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC-7-(1)に相当

注意

自然界に存在する物質を医薬品として私達は沢山使用しております.また,最近は健康食品等で数多くの天然由来製品が市場に出ております.本講義では薬の専門家としてこれらを正しく理解し,一般市民に正しく情報・エビデンスを伝える知識を学びます.天然医薬品に感心を持って受講されることを望みます.

目標

1.生薬とは何か
  1. 代表的な生薬を列挙し,その特徴を説明できる.
  2. 生薬の歴史について概説できる.
2.薬用植物
  1. 代表的な薬用植物の学名,薬用部位,薬効等を列挙できる.
  2. 代表的な生薬の産地と基源植物の関係について,具体例を挙げて説明できる.
  3. 代表的な薬用植物に含有される薬効成分を説明できる.
3.生薬成分の構造と生合成
  1. 代表的な生薬成分を化学構造から分類し,それらの生合成経路を概説できる.
  2. 代表的な①テルペノイド②強心配糖体③アルカロイド④フラボノイド⑤フエニールプロパノイド⑥ポリケチドの構造を生合成経路に基づいて説明し,その基源植物を挙げることが出来る.
4.農薬,香粧品としての利用
  1. 天然物質の農薬,香粧品などの原料としての有用性について,具体例を挙げて説明できる.
5.生薬の同定と品質評価
  1. 日本薬局方の生薬総則および生薬試験法について説明できる.
  2. 生薬の同定と品質評価方について概説できる.

計画

1.生薬と薬用植物,漢方薬,民間薬,生薬の利用
2.生薬,天然医薬品の歴史
3.生薬の命名,生薬の品質評価(1)
4.生薬の品質評価(2)
5.生薬成分の構造と生合成経路概要
6.フェノール性化合物(1):フェニルプロパノイド系化合物
7.フェノルプロパノイド類含有生薬
8.フェノール性化合物(2):キノン類
9.キノン類含有生薬
10.フェノール性化合物(3):フラボノイド,スチルベン
11.フラボノイド類含有生薬
12.テルペノイド
13.精油,テルペノイド含有生薬
14.アルカロイド
15.生薬成分の構造と生合成演習
16.定期試験

評価

試験で評価する.

再評価

実施する.

教科書

薬学生のための薬用植物学・生薬学テキスト(廣川書店)

連絡先

(研究室)薬学部・生薬学教室(本館5階東)
(Eメールアドレス)kasiwada@ph.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 講義開催曜日の12時:00—13時:00