2009年度 医学部 保健学科 看護学専攻 学部課程 保健学科.看護学専攻 — [必修] 3年

学校保健論

Child health in school

教授・二宮 恒夫, 教授・郷木 義子

1単位

目的

学校における身体とこころの健康問題をとりあげ,学校保健の重要性について理解する.学童·生徒の身体の健康維持·増進における学校の役割については,母子保健と関連させ理解する.こころの問題については,子どものメンタルヘルスケアでとりあげた問題の中でも学校に関連している不登校や発達障害児のこころの問題を重点的にとりあげる.また,母子保健と学校保健の連携のあり方について学習する.

概要

教科書を中心に,適宜プリントを配布し講義する.また,学校保健に関する問題について,新聞記事などから具体的テーマを選び,そのことについての討議をまじえ,学校保健に関する感性を高める.

キーワード

学校保健法,生活習慣病,不登校,発達障害,地域との連携

注意

学校生活は子どもたちの身体とこころが健やかに発達する重要な場と時間を提供していることを念頭に受講してほしい.参考図書を積極的に活用してほしい.講義内容以外のことでも,質問があれば,毎回の講義時間に配布する理解度チェック票の余白を利用して記載して下さい.

目標

1.1) 学校保健法の概要を述べ,学校における健康診断項目をあげることができる. 2)学校において予防すべき伝染病(感染症)をあげ,罹患した場合の出席停止の期間の基準を述べることができる. 3)学校における生活習慣病の取り組みの重要性と,効果ならびに困難性を述べることができる. 4)学校における問題行動(不登校,いじめ,恐喝,暴力,非行,万引き,飲酒,たばこ,薬物,性的問題行動など)の要因をあげ,対応を述べることができる. 5)学校生活における慢性疾患児の支援方法について述べることができる. 6)発達障害児(自閉症,高機能自閉症,アスペルガー障害,学習障害,ADHD)の特徴と支援について述べることができる. 7)学校と家庭·地域福祉機関との連携のあり方について述べることができる.

計画

1.学校保健法と,学校における健康診断項目について
2.学校における疾病の早期発見対策
3.学校において予防すべき伝染病(感染症)
4.伝染病(感染症)と,出席停止の期間の基準
5.学校における生活習慣病(肥満)の取り組み
6.痩せ願望と拒食への対応
7.突然死と予防対策
8.不登校の要因と対応
9.いじめの心理的影響と対応
10.非行などの問題行動の要因(虐待環境など)と対応
11.学校生活における慢性疾患児(心臓病,腎臓病)の支援
12.学校生活における慢性疾患児(アレルギー疾患,悪性疾患)の支援
13.発達障害児にみられるこころの問題の特徴
14.発達障害児のこころの問題の支援
15.学校と家庭·地域医療保健福祉機関との連携のあり方
16.試験

評価

筆記試験により評価する.

教科書

2年次に購入した「最新育児小児病学」(疾病論Ⅳ)と,「子どものこころ支援マニュアル」(子どものメンタルヘルスケア)を使用する.適宜プリントを配付する.

参考資料

1)土井健郎(監修):学校メンタルヘルス実践辞典,日本図書センター,1997. 2)山崎晃資:現代児童青年精神医学,永井書店,2002. 3)日本学校保健会:児童生徒の健康診断マニュアル,日本学校保健会,1995. 4)日本学校保健会:保健室における相談活動の手引き,日本学校保健会,1995. 5)健やか親子21検討会:健やか親子21検討会報告書齊q保健の2010年までの国民運動計画,2000. 6)猪股丈二ほか:学校精神保健ガイドブック,誠信書房,1994. 7)近藤邦夫ほか:子どもの成長,教師の成長,東京大学出版会,2000. 8)国分康孝:教師と生徒の人間づくりーグループ·エンカウンターを中心にー,瀝々社,1997. 9)国分康孝:構成的グループ·エンカウンター,誠信書房,1999. 10)教育と医学の会:現代人の心の支援シリーズ5,障害のある人を支える,慶應義塾大学出版会,2002. 11)鵜川 昇:子どもを喰う教師たち,プレジデント社,1999. 12)朝日新聞社会部:学級崩壊,朝日新聞社,1999. 13)河上亮一:学校崩壊,草思社,1999. 14)奥野修司:隠蔽-父と母のいじめ情報公開戦記-,文藝春秋,1997. 15)芹沢俊介:子どもたちはなぜ暴力に走るのか,岩波書店,1998.

連絡先

ninomiya@medsci.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 二宮教員研究室(保健学科3階),昼食時あるいは17時∼18時