2009年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 2年(前期)

2009年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 2年(前期)

物理化学実習2

Practice in Physical Chemistry 2

教授・中馬 寛, 助教・吉田 達貞

1単位

形態

実習

目的

本実習では,物理化学 1(1年後期)で学んだ原子・分子と化学結合,分子間相互作用の理論および分析化学2 ( 2年後期) で学ぶ光吸収と分子構造について,実習により理解を深めるとともに,以上の応用として論理的創薬のアプローチの基礎を習得することを目的とする.すなわち,コンピュータを用いた種々の数値計算やシミュレーションを通して分子理論とその創薬への応用の実際を体得することである.

概要

最初に種々の分野で利用される多変量統計解析の基礎を学習し,その応用として,薬剤の構造と生理活性の強度の定量的相関解析(定量的構造活性相関解析)の演習を行う.次に分子モデリングと分子軌道法について学習し,生体関連分子を含めた分子の配座解析,反応性解析,分子間相互作用解析,紫外・可視スペクトル,赤外スペクトル等の予測に関する演習を行う.
テーマごとに実習講義を行い,基本となる原理や演習の概要および留意点を説明する.視聴覚教材 ( ビデオ)も必要に応じて取り入れる.

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムB2(4), C1(1), C3(1), C18(1), (2) に相当

注意

1.一部の実習を除き個人単位で行うので,正確な理解と判断ができるよう十分に復習と予習すること.
2.使用したファイル等は実習終了後削除し,コンピュータの状態を実習前の状態に戻しておくこと.

目標

1.多変量解析
  1. 相関と回帰について説明できる.
  2. 信頼区間と有意水準の意味を説明できる.
2.定量的構造活性相関
  1. 定量的構造活性相関のパラメータを列挙できる.
  2. 薬理活性に及ぼす置換基の電子効果,親疎水性効果,立体効果について説明できる.
3.分子モデリングと分子科学計算
  1. ドラックデザインにおけるコンピュータの利用法を説明できる.
  2. 立体配座について説明できる.
  3. 分子軌道の基本概念を説明できる.
  4. 共役や共鳴の概念を説明できる.
4.吸収スペクトルのシミュレーション
  1. 分子の振動状態と赤外スペクトル,電子状態と紫外・可視スペクトルの関係を説明できる.

計画

1.ガイダンス
2.実習講義 (多変量統計解析)
3.実習講義 (定量的構造活性相関・分子軌道法)
4.実習 (回帰分析・分子軌道法計算1)
5.実習 (回帰分析・分子軌道法計算2)
6.実習講義 (薬物-受容体相互作用)
7.実習 (薬物-受容体相互作用解析)
8.レポート提出

評価

レポート,出席日数,演習,実習態度等を総合的に判断して評価する.

再評価

実施しない.

教科書

実習内容および参考資料を記したプリントを配布する.

連絡先

(研究室)薬学部・創薬理論化学研究室(本館4階西)
(Eメールアドレス)hchuman@ph.tokushima-u.ac.jp(心当たりのないメールは読まずに削除することがありますので,用件に必ず学年と名前を記入して下さい)
オフィスアワー: 月∼金 9:00∼12:00,13:00∼17:30