生化学 実習
Biochemistry
形態
実習
授業目的
生化学講義で履修した内容を,実際に自分の目で確かめ,より理解を深めることを目的として生体成分の分離・定量や遺伝子操作の手技を習得する.さらに疾患モデル動物を用いて,その病因・病態を分子レベルで理解し,臨床生化学の基礎を確立する.
授業概要
生化学的操作の基本を学んだ後に,物質の分離分析法や疾患モデル動物を用いた病態解析法を学習する.
授業テーマ
講義で得た静的な知識を動的に捉え直し,知識を統合する.
授業方法
実習
授業場所
第2講義室・第2実習室
注意事項
実習全回出席と全実習レポートの提出をもって,筆記試験の受験資格を認定する.
到達目標
1. | 実験機械・器具の使用方法を説明できる. |
2. | クロマトグラフィーの原理とアミノ酸の分離, 同定法が説明できる. |
3. | ビュレット法の原理を理解し, タンパク質の定量法が説明できる. |
4. | タンパク質の定量における標準曲線の意義を説明できる. |
5. | アミラーゼによるデンプンの分解過程を理解し, アミラーゼ活性測定法を説明できる. |
6. | 酵素反応速度論を説明し,KmとVmaxを求めることができる. |
7. | 電気泳動の原理を説明できる. |
8. | PCRの原理を説明し, 遺伝子診断への応用を説明できる. |
9. | 糖尿病, 肝炎の原因とその病態を説明できる. |
10. | 血糖値および GPT, G6Pase の酵素活性の測定法を説明し,これらの生化学的検査による疾患の診断的意義を説明できる. |
11. | 核酸の定量法を説明できる. |
授業計画
回 | 大項目 | 中項目 | 内容 | 担当 | 到達目標 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 序論並びにクロマトグラフィーの実際 | 実習での一般的注意 器具の点検と洗浄 薄層クロマトグラフィーによるアミノ酸の分離同定 | 実習用機械・器具の使用方法 ガラス器具の洗浄方法 クロマトグラフィーの原理,未知アミノ酸の同定 | 全員 | 1,2 |
2. | タンパク質・核酸の分離同定・定量と酵素のKinetics | タンパク質の定量 唾液のアミラーゼ活性 | ビュレット法によるタンパク質の定量,標準曲線の作成法 唾液のアミラーゼ活性の測定 | 〃 | 3,4,5 |
3. | 〃 | 酵素のKmとVmax値 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動 | ラット肝可溶性画分中のGPT活性の測定 唾液タンパク質のSDSゲル電気泳動と主要成分の同定 | 〃 | 6,7 |
4. | 〃 | PCR法とアガロースゲル電気泳動 | PCR法によるDNA増幅と電気泳動 | 〃 | 7,8 |
5. | 疾患モデル動物を用いる実験 | マウスの採血と肝摘出 血糖値 | 実験的糖尿病,四塩化炭素投与による急性肝障害 酵素法による血糖値の測定 | 〃 | 9,10 |
6. | 〃 | マウスの血漿および肝のGPT活性 | マウス肝ホモジネートの調製 酵素活性値の算出法及び表記法 | 〃 | 〃 |
7. | 〃 | マウス肝のグルコース-6-リン酸ホスファターゼ活性 | Fiske-Subbarow法による無機リン酸の定量と疾患,マウスの肝G6Pase活性の測定 | 〃 | 〃 |
8. | 〃 | 核酸の定量 | ジフェニルアミンによるDNAの定量, オルシノールによるRNAの定量 | 〃 | 11 |
成績評価の方法
評価は筆記試験により行い,試験は講義CDの筆記試験と同日に実施する.
100点満点で60点以上のものを合格とする.
再試験
行う.
教科書,プリント,参考書
実習書:プリント教材(分子医化学編)を配付する.
参考書:マッキー生化学, 第3版,2003年(化学同人)
参考書:Essential 細胞生物学, 第2版, 2005年(南江堂)
参考書:イラストレイテッド ハーパー・生化学, (第27版), 2007年(丸善)
参考書:生化学辞典第4版, 2007年 (東京化学同人)
参考書:分子生物学・免疫学キーワード辞典, 第2版,2003年(医学書院)
参考書:蛋白質・酵素の基礎実験法, 改訂第2版, 1994年(南江堂)
参考書:核酸の一般的分離・定量法, 初版, 1969年(東京大学出版会)
参考書:病態生化学, 第2版, 1988年(丸善)
参考書:歯と口腔の健康, 初版, 1997年(医歯薬出版)
参考書:生化学実習, 初版, 2006年 (医歯薬出版)
WEBページ
連絡先
- オフィスアワー: 月∼金 16:00-18:00/5F 分子医化学・第1研究室
- オフィスアワー: 月∼金 16:00-18:00/5F 分子医化学・第2研究室
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