2009年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 1年(前期)

2009年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 1年(前期)

生物化学1

Biochemistry 1

准教授・新垣 尚捷

1単位

形態

講義

目的

生命の活動単位としての細胞の成り立ちを分子レベルで理解するために,その構成成分の構造,生合成,性状,機能に関する基本的知識を修得する.本授業に関連する基本的技能は生物化学実習で修得する.

概要

本授業では,糖質,脂質,水溶性ビタミンの構造,性質,役割について学び,次いで生命のプログラムである遺伝子を理解するために,DNA の遺伝的役割と構造及び遺伝情報の保存と伝達,発現調節に関する基本的知識を修得する.

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC-9-(1)(2) に相当

注意

遺伝子科学(分子細胞生物学)の進歩は,確実に「癌,アルツハイマーなどの難治性疾患や糖尿病などの生活習慣病」から私達を救う.本講議内容を十分に理解して,21世紀の遺伝子科学をリードして頂きたい.

目標

1.糖質
  1. グルコースの構造,性質,役割を説明できる.
  2. 代表的な多糖の構造と役割を説明できる.
2.脂質
  1. 脂質を分類し,構造の特徴と役割を説明できる.
  2. 脂肪酸の種類と役割を説明できる.
3.ビタミン
  1. 水溶性ビタミンを列挙し,各々の構造,基本的性質,補酵素や補欠分子として関与する生体内反応について説明できる.
4.ヌクレオチドと核酸
  1. DNA とRNA の構造について説明できる.
  2. 核酸塩基の代謝(生合成と分解)を説明できる.
5.遺伝情報を担う分子
  1. 遺伝子発現に関するセントラルドグマについて概説できる.
  2. DNA 鎖とRNA 鎖の類似点と相違点を説明できる.
  3. ゲノムと遺伝子の関係を説明できる.
  4. 染色体の構造を説明できる.
  5. 遺伝子の構造に関する基本的用語(プロモーター,エキソン,イントロンなど)を説明できる.
  6. RNA の種類と働きについて説明できる.
6.転写と翻訳のメカニズム
  1. DNA からRNA への転写について説明できる.
  2. 転写の調節について,例を挙げて説明できる.
  3. RNA のプロセシングについて説明できる.
  4. RNA からタンパク質への翻訳の過程について説明できる.
  5. リボソームの構造と機能について説明できる.
7.遺伝子の複製・変異・修復
  1. DNA の複製の過程について説明できる.
  2. 遺伝子の変異(突然変異)について説明できる.
  3. DNA の修復の過程について説明できる.
8.遺伝子多型
  1. 一塩基変異(SNPs)について概説できる.

計画

1.授業ガイダンス
2.ゲノム,遺伝子,染色体
3.遺伝情報を担う分子—塩基,ヌクレオシド,ヌクレオチド,DNA,RNA
4.DNAの複製
5.DNAの修復
6.転写と翻訳—原核生物
7.転写と翻訳+中間試験(到達目標の中間評価)
8.転写と翻訳—真核生物
9.遺伝子発現の調節機構—原核生物
10.遺伝子発現の調節機構—原核生物・真核生物
11.遺伝子発現の調節機構—真核生物
12.ヌクレオチドの代謝—核酸塩基の生合成
13.ヌクレオチドの代謝—核酸塩基の分解
14.水溶性ビタミン
15.総復習
16.定期試験

評価

試験で評価する.

再評価

実施する.

教科書

カラー生化学」著者:マシューズ ホルダ アハーン 監訳:清水孝雄,中谷一泰,高木正道,三浦謹一郎,8,190円(本体7,800円)

連絡先

薬学部4階 臨床薬物動態学研究室.
E-mail: arakaki@ph.tokushima-u.ac.jp
オフィスアワー: 特に時間は定めない.