2009年度 歯学部 歯学科 学部課程 — 5年(後期)

社会と歯科医療

Socail Dentistry

教授・伊藤 博夫, 教授・吉田 秀夫, 教授・日野出 大輔, 早雲歯科 非常勤講師・早雲 講二, 薬剤部・寺岡 和彦, 看護部・金澤 昭代, 山上病院 非常勤講師・山上 久, こもだ歯科医院 非常勤講師・薦田 淳司, 医療法人社団 しん治歯科医院 非常勤講師・高橋 伸治, モリ歯科診療所 非常勤講師・森 秀司

1単位

形態

講義

授業目的

わが国の保健制度,医療制度,社会保障福祉制度,保健行政,医療行政,医療関連法規(歯科医師法),社会保福祉関連法規,労働関連法規,歯科保健活動(地域歯科保健,母子歯科保健,学校歯保健,産業歯科保健,成人老人歯科保健)などに焦点をあて,また,老人医療,薬の認可システム,病棟看護の実際,徳島県の歯科医療の現状などを学ぶことによって歯科医療と社会との関連について自ら考察することができるような力を養う.
医事に関する法規や制度に対する正しい理解と認識を持つことにより,医療や看護の万全を期し,不慮の事故を未然に防止することも本課目の目的である.人々の健康を保持し疾病の災厄を除去または低減することによる幸福な社会を確立するという,医療・歯科医療の本来の目的の達成のためには,社会制度としていかにこれを取り扱うかが重要であり,一人ひとりの歯科医師・医療人が正しい知識を持たなければならない.

授業方法

講義

授業場所

金曜6時限 第2講義室

注意事項

試験は学生便覧の歯学部規則を満たしている者に対して行う.

到達目標(<>はコアカリ対応)

1.歯科医師の法的義務を列挙できる.<A-3-⑤>
2.歯科医療における事故の特異性を説明できる.<A-5-1)-①>
3.実際の医療には,他職種が多段階の医療業務内容に関与していることを具体的に説明できる.<A-5-1)-②>
4.医療上の事故等を防止するには,個人の注意力はもとより組織的なリスク管理が重要であることを説明できる.<A-5-1)-③>
5.医療現場における報告・連絡・相談と記録の重要性や,診療録改鼠の違法性について説明できる.<A-5-1)-④>
6.医療の安全性に関する情報(薬害や医療過誤の事例,やってはいけないこと,模範事例等)を共有し,再発防止に役立てるための分析の重要性を説明できる.<A-5-1)-⑤>
7.医療過誤に関連して歯科医師に科せられた社会的責任と罰則規定(行政処分,民事責任刑事責任,司法解剖)の基本的事項を説明できる.<A-5-2)-④>
8.基本的予防策(ダブルチェック,チェックリスト法,薬品名称の改善,フェイルセーフ・フールプルーフの考え方など)について概説できる.<A-5-2)-⑤>
9.医療チームのメンバーの役割と連携を説明できる.<B-2-3)-①>
10.保健・医療・福祉の連携を理解し,歯科医師の役割を説明できる.<B-2-3)-②>
11.医療法を概説できる.<C-2-1)-②>
12.歯科衛生士法と歯科技工士法を概説できる.<C-2-1)-③>
13.保健・医療制度を説明できる.(産業保健及び医療供給体制を含む.)<C-2-2)-①>
14.医療保険制度を説明できる.(医療経済(国民医療費)をふくむ.)<C-2-2)-②>
15.介護保険制度を説明できる.<C-2-2)-③>
16.社会福祉制度を説明できる.<C-2-2)-④>
17.地域医療に求められる役割と機能および体制等,地域医療の在り方を概説できる.<C-2-2)-⑧>
18.地域医療における保健・医療・福祉・介護の分野間の連携および他職種間の連携の必要性について説明できる.<C-2-2)-⑨>
19.地域医療の基盤となるプライマリ・ケアの必要性を説明できる.<C-2-2)-⑩>

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.社会歯科学社会制度(1)
医療保険行政について
吉田14
2. 〃社会制度(2)
老人医療と介護保険制度について
山上3,10,15,16
3. 〃歯科医療保険
歯科保険点数のしくみ
14,18
4. 〃歯科医療の現況(1)
徳島県の現状と分析
薦田17,18,19
5. 〃歯科医療の現況(2)
徳島大学歯学部卒業生の活躍の状況
高橋
6. 〃医療薬事行政概論(1)
薬剤の開発の現状
寺岡3,5,6
7. 〃医療薬事行政概論(2)
薬剤の認可の現状
2,3,4,8,9
8. 〃臨床看護総論
病棟における看護の実際
金澤3,4,6,8,9
9. 〃歯科医療管理学(1)
歯科医療管理学の位置づけ,歯科医業,医院の開設と管理
伊藤1,10,12,13
10. 〃歯科医療管理学(2)
歯科医師及び関連職種と法律, 医療の連携とチーム医療
1,10,11,16
11. 〃歯科医療管理学(3)
歯科医院の経営管理,歯科医療経済
日野出14
12.医事法制歯科法医学
検屍と歯科医師,法医解剖,鑑定,警察歯科医について,個人識別,年齢推定,性別判定,血液型,親子鑑定
早雲1,4
13. 〃歯科医療制度の法
歯科医療行為の法
医療関係者の法,医療施設の法,医療衛生の法,医療保障の法
医療行為,医療契約,インフォームドコンセント,医療文書,医療事故,医療と人権
1,4,8
14. 〃歯科医業と法律
歯科医師の身分,業務,財務,税務,労務
1,5,6
15. 〃歯科医事紛争
最近の判例からみる傾向と対策について
2,4,7

成績評価の方法

筆記試験を実施して,その得点に,講義の出欠の状況や提出物の内容等を加味して総合的な評価を行い,60点以上の者を合格とする.

再試験

原則として実施しない.

教科書,プリント,参考書

参考書:スタンダード社会歯科学 石井拓男ほか編,学建書院 2005年

参考書:新社会歯科学 可児徳子・末高武彦編,医歯薬出版 2005年 など

連絡先

伊藤(088-633-7336, itohiro@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (月・水・金16:00∼17:00/5F予防歯学・教授室)
日野出(088-633-7543, hinode@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (月∼金18:00∼19:00/6F口腔保健学科・第1研究室)
吉田(633-7354, yosihide@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (月∼金17:00∼18:00/6F口腔保健基礎学・第1研究室/633-7963)