哲学思想基本研究I (その3)
准教授・山口 裕之
2単位
目的
我々が何かものを考えるときには,さまざまな知識を前提として考えを組み立てる.そうした,「思考の前提」となっているものについて思考することはきわめて困難である.しかしながら「哲学」の仕事とは,そうした「思考の前提」を問い直し,明るみに出そうとするものであるべきだと私は思う.今年度は,われわれが「正しいもの」であることを自明視している科学的知識というものの成立について,ブルーノ•ラトゥールの議論を参考に理解を深める.
概要
Bruno Latour, "Scinece in Action"研究. 毎回,担当者を決め,担当箇所の概要,議論すべき論点,疑問点などを発表してもらう.発表をもとに参加者で議論を行う.おおよそ2週間で一章のペースで進める.
キーワード
科学と哲学,哲学
注意
たくさん本を読むこと.毎回の授業で,関連する文献を紹介します.また,研究書の巻末には参考文献が掲載されています.それらを入手し,読み,報告すること.一ヶ月にどんなに少なくとも1冊,できれば週に1冊のペースで読むこと.
目標
1. | 科学史・科学哲学に対する基礎的な知識を身につける. |
2. | 自ら哲学的に思考する技術を身に付ける. |
計画
1. | イントロダクション |
2. | 序章:パンドラのブラックボックスを開く |
3. | 第一章(1):文献 |
4. | 第一章(2) |
5. | 第二章(1):実験室 |
6. | 第二章(2) |
7. | 第三章(1)機械 |
8. | 第三章(2) |
9. | 第四章(1):インサイダーズ・アウト |
10. | 第四章(2) |
11. | 第五章(1):理性の法廷 |
12. | 第五章(2) |
13. | 第六章(1):計算の中心 |
14. | 第六章(2) |
15. | まとめ |
評価
担当を分担して報告すること,3分の1以上の欠席をしないことが必要条件.報告の内容や発表の様子,議論への参加,学期末のレポートで総合的に成績評価する.
再評価
なし.
教科書
邦訳 『科学が作られているとき』産業図書
連絡先
- オフィスアワー: 火曜10:30-11:30