哲学思想基本研究II (その4)
教授・石田 三千雄
2単位
目的
カントの『人倫の形而上学』を読んで,カントの法についての基本的な考え方を学ぶ.
概要
カントの「人倫の形而上学」の体系は法論と徳論から成る.法と道徳はどのように区別され,またどのように関連するのであろうか.また法の強制力とは何であり,徳の義務とは何であろうか.これらをカントの『人倫の形而上学』を読むことによって考えてみたい.
キーワード
カント,法,倫理,自律
注意
演習形式で授業を進めるので,演習時間毎に予習が不可欠である.学生諸君の積極的な参加と準備・議論を期待する.
目標
1. | 法や倫理とは何か等について自分で考え,討論することができる. |
計画
1. | ガイダンス |
2. | 狭義の法と広義の法 |
3. | 衡平について(1) 利益の分配 |
4. | 衡平について(2) 損害の賠償 |
5. | 緊急権について |
6. | 法義務の一般的区分(1) 法的誠実性 |
7. | 法義務の一般的区分(2) 内的義務,外的義務 |
8. | 法(権利)の一般的区分(1) 体系的秩序としての法 |
9. | 法(権利)の一般的区分(2) 生得的権利と取得的権利 |
10. | 生得的権利(1) 自由と権利 |
11. | 生得的権利(2) 生得的権利 |
12. | 人倫の形而上学一般の区分(1) 法義務と徳義務 |
13. | 人倫の形而上学一般の区分(2) 人倫論と義務論 |
14. | 義務に対する法則の客観的関係からみた区分 |
15. | レポートの課題提示 |
16. | 総括授業 |
評価
毎回の出席状況,議論状況を基本に評価し,学期末にレポートを課す.
再評価
行わない.
参考資料
『世界の名著32 カント』中央公論社
連絡先
石田(2328, 088-656-7147, mishida@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
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