2009年度 総合科学部 人間社会学科 マルチメディアコース 学部課程 — 2年(前期)

仮想空間論

准教授・掛井 秀一

2単位

目的

バーチャルリアリティは「仮想現実」と訳され,「現実感を伴った仮想的な世界をコンピュータの中に創り出す技術」と解釈されている.しかし,「バーチャルリアリティ=仮想現実」と捉えてしまうと,バーチャルリアリティはあくまで「ニセモノ」であり,ニセモノ v.s. ホンモノというステレオタイプな二元論の陥穽から抜け出ることができずに,その可能性を狭く限定してしまうこととなる.この授業では,バーチャルリアリティを「人間の意識内部に形成され,そこでの人間行動を可能にする環境」と捉え,バーチャルリアリティのコンセプトや背景を学び,バーチャルリアリティの潜在的可能性について探る.

概要

バーチャルリアリティのコンセプト及び,その背景について学ぶ.

キーワード

バーチャル·リアリティ,メディア環境

注意

この授業では一方的な講義だけではなく,適宜,グループディスカッションを行う予定であるので,受け身の姿勢ではなく積極的な参加を望む.

目標

1.·自分なりのバーチャルリアリティに対する考えを持つ

計画

1.バーチャルリアリティと仮想現実 開発史
2.バーチャルリアリティと仮想現実 virtual = 仮想 ?
3.リアリティとは何か ピカソとエッシャー
4.リアリティとは何か 顕性と潜性
5.バーチャルリアリティを構築する技術 視覚関連技術
6.バーチャルリアリティを構築する技術 その他の技術
7.バーチャルリアリティ適用事例のカテゴライズ 受動的VR
8.バーチャルリアリティ適用事例のカテゴライズ 能動的VR
9.バーチャルリアリティ適用事例のカテゴライズ 複合的VR
10.バーチャルリアリティとは何なのか visuality
11.バーチャルリアリティとは何なのか AIP cube
12.バーチャルリアリティとは何なのか Piazzaと茶室
13.バーチャルリアリティの可能性 刺激の削減
14.バーチャルリアリティの可能性 ユビキタス環境
15.総括
16.試験

評価

{(中間テスト:50%)+(最終レポート:50%)}×(授業への貢献)

再評価

実施せず.

参考資料

M.メルロ=ポンティ「行動の構造」みすず書房

中村雄二郎「共通感覚」岩波書店

服部桂「人工現実感の世界」工業調査会

J.ギブソン「生態論的視覚論」サイエンス社

連絡先

掛井(マルチメディアB棟206, 088-656-7166, kakei@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 水曜日5·6(他の時間帯でもメイル等で連絡の上随時訪問可).