2009年度 総合科学部 自然システム学科 物質·環境コース 物理系サブコース 学部課程 — 3年(後期)

2009年度 総合科学部 自然システム学科 物質·環境コース 化学系サブコース 学部課程 — 3年(後期)

2009年度 総合科学部 自然システム学科 物質·環境コース 地学系サブコース 学部課程 — 3年(後期)

分子科学特論

肩書不明・嶋林 三郎

2単位

目的

有機化学や無機化学の分野では試料を精製し,純度を上げてその物質の特性を極めようとする.この場合には対象とする物質(試料)が無限に広がっていることが前提である.一方,コロイド·界面化学では対象とするものはコロイド次元である.この学問分野においては,固体,液体,気体の3態が共存することや混じりあわない物質が共存することを意識し,これら相互の界面には「不純物(界面活性物質)」が吸着していると考える.このような考えのもとに,界面ではどのような現象が起っているかに界面化学者は興味をもち,理論的実験的に研究を続け,その実用化を考えてきた.その成果は我々の日常生活を豊かなものにした.たとえば,水と油とからなる乳濁液を化粧品や医薬品として,水あるいは油と固体微粒子とからなる懸濁液をペイントとして,水と気体からなる泡沫を清涼飲料水や泡沫消火剤として,世に送り出してきた.この講義では例をあげながら,コロイド·界面化学固有の考え方(界面の重視),その立場からの自然現象の理解(自然の認識),研究成果の応用(学術成果の社会への還元)などについて学生諸君と考える.

概要

自然現象をコロイド·界面化学の立場から理解し,応用を考える.

注意

この講義を理解するには,一般物理化学のほかに無機化学,高分子化学,熱 力学,電磁気学などの,ときには生物学の知識が必要.できるだけわかりやすく説明 をするつもりではあるが学生諸君も参考書などを調べて理解する努力が必要.わからないことは講義途中に質問してもかまわない.講義のあとの質問も歓迎.もちろん復習は不可欠.

目標

1.身近な自然科学現象を物理化学の観点から理解する.

計画

1.次のテーマでの講義を予定.表面張力と界面活性,単分子膜と多分子膜,ミセ ルと液晶,微粒子分散系,吸着,濡れ,界面電気現象と電気2重層,凝集と分散,吸着,ブラウン運動,光学的性質,ゾルとゲル,エマルションと泡,摩擦と潤滑,付着と粘着など.

評価

学期末に試験をおこなう.出席を取る.出席日数の少ない学生あるいは授業中の行儀の悪い学 生は不利になる.レポート提出,小テスト/中間テストをする.

再評価

希望があればおこなう.

教科書

教科書,鈴木四朗,近藤保共著,界面現象の科学,三共出版(1996).

参考書,日本化学会編,現代界面コロイド化学の基礎,丸善,(1997);北原文雄,界面コロイド化学の基礎,講談社(1994).

連絡先

嶋林(連絡先未登録)
オフィスアワー: 特別に日時を定めないが,予約を取ればいつでも歓迎.