2009年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 学部課程 — 3年(前期)

国際文化ゼミナール(その1)

教授・吉田 浩

2単位

目的

マックス・ウェーバーは偉大な社会学者・社会科学者であって,その研究成果は膨大な範囲に及び,その内容にも注目すべきものがある.しかしながら彼の研究方法は,ヘーゲルが指摘する悟性科学のそれであって,対象を一面的にかつ固定的に捉え,対象のもっている生命を殺すものであって,そこからは誤った極端な結論が引き出されている.そこでウェーバー理論の限界,問題点を確認しつつ,この限界,問題点は,悟性科学の対極に位置する理性科学としてのヘーゲルとマルクスの弁証法ではいかにして解決され,新たな展望が開けてくるかを検討し考察していく

概要

上記の目的を達成するために,私の著作『ウェーバーの社会理論と意味・価値問題―ヘーゲル,マルクスとの比較・対照において―』(2008年1月発行,晃洋書房)をテキストとして,この著作を前期を通して通読していく

キーワード

固有法則性概念と与件,概念構成の質的性格,現実性概念,変革の理論,意味喪失

注意

卒業論文につなげていくのでゼミに積極的に参加することを望む.ゼミ参加希望者は,最初の授業では私の研究室に来てください.1号館南棟2階理論社会学研究室です.

目標

1.ウェーバー理論の陥っているディレンマ,諸問題は弁証法ではいかに解決され,そこからはどのような展望が開かれてくるかを確認していく

計画

1.マックス・ウェーバーにおける固有法則性概念と与件
2.同上
3. 〃
4.マックス・ウェーバーの概念構成における質的性格について
5.同上
6. 〃
7.M・ウェーバーとヘーゲル,マルクスとにおける現実性概念について
8.同上
9. 〃
10.変革の理論の諸類型―マルクス,ウェーバー,シュムペーターの所説を中心として―
11.同上
12. 〃
13.意味喪失と生きるための意味
14.同上
15. 〃
16.総括

評価

ゼミへの毎回の積極的な参加によって評価する

再評価

なし

教科書

吉田浩著,『ウェーバーの社会理論と意味・価値問題―ヘーゲル,マルクスとの比較・対照において―』(晃洋書房,2008年1月発行),高価なので(3300円+税)許可書は貸与する.

参考資料

吉田浩著『ウェーバーとヘーゲル,マルクス』,文理閣

連絡先

吉田(088-656-7198, yoshida@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 火曜日12時∼13時

備考

このゼミは平成20年度前期のゼミであり,後期も同一のゼミを行う