地域変容論研究I
教授・平井 松午
2単位
目的
「人」の移動は「文化」の移動でもあり,移植された社会組織や文化は新たな環境に適合する場合もあれば,大きく変質したり,消滅したりもする.そこで本授業では,おもに18-19世紀にヨーロッパから北アメリカに渡った農業移民をとりあげ,地理学的な視点から,フロンティア地域への移住·入植過程や開拓プロセスについて解説し,移民社会や移民文化の変容過程を考察することにしたい.
概要
北米フロンティア:農業移民の移住と定着
キーワード
地理学,歴史地理学,フロンティア,移民,村落
関連科目
注意
地域変容論研究I (平成21年度開講)と地域変容論研究II (平成22年度開講予定)はそれぞれ隔年開講となっているので,注意すること.授業ではOHPやパワーポイントなどを使用するが,配付プリント類は必ず毎時間持ってくること.なお,地域変容論研究I は教員免許取得(中学校·社会/高校·地歴)のための選択科目でもある.
目標
1. | フロンティアへの人口移動を通じて,地域形成·地域変化のメカニズムを理解する地理学的な能力を身に付ける. |
計画
1. | フロンティア地域の特性 |
2. | 北米フロンティアの西漸運動 |
3. | フロンティアの歴史的意味 |
4. | イギリス系植民者の入植地 |
5. | フランス系植民者の入植地 |
6. | スペイン系植民者の入植地 |
7. | 初期開拓地における入植形態 |
8. | 中西部の開発とタウンシップ |
9. | タウンシップの土地区画 |
10. | ソッドハウスと丸木小屋 |
11. | 商業的穀物農業地帯の形成 |
12. | 北米移民の出身地域 |
13. | ヨーロッパの「周辺化」地域と移民の送出 |
14. | 移住者の社会的特徴 |
15. | 大量移住の形成 |
16. | 授業のまとめ |
評価
本授業は講義形式で行うが,授業中に数回行う小テストや課題,出席状況,質疑応答といった授業への取り組み姿勢などにもとづく平常点での評価と,期末試験(持ち込み不可)結果による評価を併用して行う.
再評価
無
教科書
教科書は使用しないが,受講にあたっては下記の文献などにもあたっておくこと.
R.A.ビリントン著/渡辺真治/訳『フロンティアの遺産』研究社出版,1971年
渡辺真治『フロンティア』近藤出版社,1975年
岡田泰男『フロンティアと開拓者-アメリカ西漸運動の研究-』東大出版会,1994年
連絡先
- オフィスアワー: 研究室 1号館中棟1階 火·金曜日 12:00-13:00