2009年度 人間·自然環境研究科 人間環境専攻 修士課程 選択科目 経済社会 — 1年(後期), 2年(後期)

地域社会論II演習(地域変容論)

教授・平井 松午

2単位

目的

前期に引き続き,近代移民について考察するが,ここではとくに「開拓移民」「フロンティア移民」としての性格が強い明治·大正期の北海道移民を取り上げる.海外移民と異なり,北海道移民は,「周辺化」「地方化」が進む地域から「辺境」への移民·移住の形態である.授業では,こうした北海道移民の移住-定着に至る一連の地理的移動や社会的ネットワークに注目し,北海道の開発プロセスについて検討する.また同様な視点から,北米移民·フロンティア開発についても比較検討したい.

概要

地域変容論研究(移民の歴史地理学的研究)

キーワード

地理学,近代日本,フロンティア,移民

注意

授業の視点·論点については,最初に平井が解説する.その後は,授業中に紹介する内外の論文(平井論文を含む)や統計·資料などをもとに,受講者各自に分析·報告してもらう.

目標

1.移住と開拓という側面から,居住域(エクメネー)の拡大プロセスが理解できるようになること.

計画

1.北海道の内国植民地化と開拓政策
2.分析と討論(1)
3.士族移住と屯田兵村
4.分析と討論(2)
5.移住政策の転換と殖民地区画の施行
6.分析と討論(3)
7.大量移住と開拓の進展
8.分析と討論(4)
9.「開拓村」の形成
10.分析と討論(5)
11.開拓村と移住ネットワーク
12.分析と討論(6)
13.北米移民の定着過程とフロンティア開発(1)
14.北米移民の定着過程とフロンティア開発(2)
15.分析と討論(7)
16.授業のまとめ

評価

受講者の報告内容,授業での討論内容,レポートなどにもとづく総合評価とする.

教科書

授業中に指示する.

連絡先

平井(2116, 088-656-7159, hirai@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: オフィスアワーは授業時間の前後,研究室電話番号 088-656-7159,E-mail: hirai@ias.tokushima-u.ac.jp