2009年度 人間·自然環境研究科 臨床心理学専攻 修士課程 選択必修科目 — 1年, 2年

社会心理学特論

教授・佐藤 健二

2単位

目的

本講義では,人間の社会的行動に関する理論や知見を学習することを目的とする.心理臨床実践は,クライエント-セラピスト間において展開されるものであり,それ自体が社会的行動の1つと言える.また,臨床心理学的問題の中には,対人恐怖などのように,社会的場面が大きく影響を与えているものがある.したがって,心理臨床実践を効果的に行うためには,人間の社会的行動の理解が必要となる.

概要

人間の社会的行動の理解,その臨床心理学への応用

キーワード

社会心理学,臨床心理学,社会的行動

注意

社会心理学の臨床心理学への応用について,一緒に考える姿勢を求む.

目標

1.社会心理学における重要な研究結果,概念,方法論について,とりわけその臨床心理学との関連について理解すること.

計画

1.序章:新しい領域:臨床社会心理学とは
2.第7章:本当の自分·仮面の自分〔自己開示と自己呈示〕
3.第8章:自己開示をすると健康になるか?〔自己開示と心身の健康〕
4.第9章:対人場面での不安〔自己呈示と社会不安·対人恐怖〕
5.第10章:人を助け,支えること〔援助行動とソーシャル·サポート〕
6.第11章:人はなぜ攻撃するのか〔攻撃行動と怒り·自己〕
7.第1章:「なぜ?」を読み解く〔原因帰属理論と帰属のバイアス〕
8.第4章:自分を意識する心〔自己注目と行動〕
9.第3章:勉強ができなくてつらい〔原因帰属と学業行動〕
10.第5章:自己注目から見る落ち込み〔抑うつの自己注目理論(坂本)〕
11.第6章:「自分」が脅かされる〔自己意識理論と妄想·自我障害〕
12.コラム:非言語行動他
13.第2章:どうして憂うつになるのか?〔さまざまな帰属療法と抑うつ〕(
14.終章:これからの臨床社会心理学
15.レポート課題提示
16.総括

評価

三分の二以上の出席者に対してレポートを課し,評価する.

教科書

教科書:坂本真士·佐藤健二 2004 はじめての臨床社会心理学 有斐閣

参考書:安藤清志他 1995 現代心理学入門4 社会心理学 岩波書店

連絡先

佐藤(3S05, 088-656-7202, satoken@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 木曜昼休み·3S05·satoken@ias.tokushima-u.ac.jp

備考

隔年開講,本年度開講せず