社会思想研究
目的
環境倫理学の基本的な考え方,トピックス,その思想的背景,現代の環境倫理学の幾つかの潮流を取り上げ,現代の環境問題を考えるための基本的な知識を身につける.その上で,自分なりの調査にもとづくレポートで意見をまとめる.
概要
「環境倫理学」という新興の学問分野の成立と展開を追い,そこで論じられてきた多様なトピックや事例を紹介し検討する.授業は2∼3回の講義でひとつのトピックを取り上げ,概要や問題点を指摘する.それを受けた「まとめ」の授業では,受講者の中から若干名に話題提供のレポートを発表してもらい,それをもとに全員でディスカッションを行う.受講者全員が最低一回は発表すること.
キーワード
哲学,倫理学,環境,社会と自然
注意
講義形式の授業ではあるが,受講生諸君の積極的な参加を求める工夫もする. 平成13年度以降に入学した学生を対象とする.
目標
1. | 環境倫理学についての基本的な知識を身につける. |
2. | 現在の環境問題について考えるきっかけをつかむ. |
計画
1. | イントロダクション:「環境倫理学」を学ぶことの意義(石田・山口) |
2. | 公害・環境汚染と環境倫理学の芽生え:「沈黙の春」と「成長の限界」(山口) |
3. | 酸性雨とパーシングミサイル:国境を越える汚染と冷戦下の政治問題(山口) |
4. | IPCCと国際政治:京都議定書の「科学的根拠」(山口) |
5. | 「地球環境問題」まとめ:ディスカッション |
6. | 動物の権利・自然の権利:動物愛護運動の展開(山口) |
7. | 自然開発と自然保護:誰のためになるのか?(山口) |
8. | 「環境倫理学の基本概念を問い直す」まとめ:ディスカッション(山口) |
9. | エコロジーの思想(1)―ディープ・エコロジーの思想(石田) |
10. | エコロジーの思想(2)―ソーシャル・エコロジーの思想(石田) |
11. | ドイツの環境政策(石田) |
12. | ドイツの生命環境倫理学(石田) |
13. | クレープスの自然倫理学(石田) |
14. | L.ジープの具体倫理学としての環境倫理学(石田) |
15. | 環境倫理学の現代的課題(石田) |
評価
毎回の授業の最後に記入する「一言カード」:2×15=30 「まとめ」授業における発表:40 学期末レポート:30 発表と期末レポートの採点基準については課題発表の際に説明する.
再評価
行う.
教科書
広島大学応用倫理学プロジェクト研究センター訳『ジープ応用倫理学』丸善,2007年
その他,授業中に適宜指示する.
連絡先
山口(総合科学部1号館南棟2F, 088-656-7615, yamaguti@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 火曜10:30-11:30
石田(2328, 088-656-7147, mishida@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 水曜13時から14時