運動文化比較研究
教授・中村 久子
2単位
目的
生産形態の違いは生産する人々の考え方の違いとして影響を与えただけではなく,彼らの身体の動きにも多大な影響を与えた.人々が生活する中で使う身体の動きは,彼らの運動文化である舞踊にも表出している. 本講義では各地域の舞踊がいかにして発生し,次代に受け継がれてきたかについて概説し,生産形態,衣装,宗教,植民地支配などが与えた,舞踊における身体の動き,リズム,空間の使い方などの違いを比較,考察することを目的としている.
概要
生産形態と運動文化(特に舞踊文化を中心に)の比較研究
注意
本授業ではOHPやビデオなどを使用し,視覚的に動きの違いを理解できるようにしているが,見るだけで終わらせることがないようにノートの取り方を工夫すること.
目標
1. | 1.生産形態の違いによる舞踊の特徴を把握することができる. |
計画
1. | 生産形態とリズム(五つのリズム感) |
2. | 山村畑作民のリズムと舞踊(神楽) |
3. | 水田稲作農耕民のリズムと舞踊-古代の舞踊(舞楽,田楽,巫女舞) |
4. | 中世の舞踊(念仏踊りの発生から盆踊りへ) |
5. | 中世の舞踊(風流の流行) |
6. | 中世の舞踊(能楽 「石橋」を中心に) |
7. | 近世の舞踊(歌舞伎踊りから日本舞踊へ) |
8. | 近代の舞踊(西欧の影響-鹿鳴館と社交ダンス,娯楽としてのレビュー) |
9. | 海洋漁労民のリズムと舞踊(主に南海の島々の舞踊を中心に) |
10. | 狩猟民のリズムと舞踊 (主にアフリカ諸国の舞踊を中心に) |
11. | 牧畜民のリズムと舞踊 (主にヨーロッパの舞踊を中心に) |
12. | 芸術としての運動文化 (バレエとモダンダンスを中心に) |
13. | 衣装と動きの関係を探る(タイツが生まれた国,着物と下駄の国) |
14. | 観光産業としての舞踊(阿波踊りを中心に) |
15. | まとめ |
16. | 課題レポート作成,提出 |
評価
本授業は講義形式で行うが,数回の小レポートや出席状況などにもとづく平常点での評価と,期末の課題レポートの結果による評価を併用して行う.
再評価
行わない
教科書
教科書は使用せず,授業中にプリントを随時配布する.参考書として以下の文献を紹介する.
「舞踊学講義」 舞踊教育研究会編 大修館書店
連絡先
中村(3120, 088-656-7209, nakamura@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: (後期) 木曜日12時∼13時
備考
隔年開講