2009年度 総合科学部 自然システム学科 物質·環境コース 物理系サブコース 学部課程 — 3年(後期)

量子物質科学

教授・中山 信太郎

2単位

目的

この講義では物質の二重性を基礎におく量子論をとおして物質構造を解説する.これまでの授業で学習してきた「物理学」「化学」の基礎的項目の上に説明がなされるわけで,基礎的項目を応用できるようにする.特に,これまでに学習した科学の基礎的知識は必須である.

概要

原子と原子核について,その空間的大きさ,形,スピン,パリティについて理解する.また,自然界に存在する原子や原子核の種類が何によって決まるかを相互作用の性質から説明できるようになる.

キーワード

自然の広がり,気体分子運動論,ラザフォード散乱,フェルミガス模型,核融合と核分裂

注意

これまで履修した基礎科学の知識をベースにする.

目標

1.原子構造と原子スペクトルを理解する
2.スピン,パリティ,アイソスピンとは?
3.原子核構造を理解する
4.ミクロな世界の物理量を理解する

計画

1.自然を見ること
2.自然の広がり
3.気体分子運動論(原子の存在)
4.相対性理論
5.コンプトン散乱
6.ラザフォード散乱(原子核の存在)
7.原子核の大きさと形
8.原子核の猫像
9.フェルミガス模型と原子核
10.原子核の結合エネルギー
11.原子核の液滴模型
12.核融合と核分裂
13.ビッグバーンにおける元素合成
14.太陽からの黒体輻射と宇宙背景輻射
15.期末試験
16.総括授業

評価

レポートと期末試験

再評価

レポートが一定水準に達している場合あり

教科書

自製テキスト

参考資料

参考書「量子力学」原康夫著,岩波書店

参考書:「原子物理概論」久武和夫著,朝倉書店

参考書:「現代物理学の基礎」バイザー著,好学社

連絡先

中山(1N02, 0886567236, nakayama@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 在室時はいつでも質問を受け付ける