福祉社会特論A演習
准教授・樫田 美雄
2単位
目的
医療と福祉の社会学を,当該分野の専門雑誌に論文が掲載される水準になることを目標として,速習的に学ぶ.
概要
まず,『保健医療社会学論集』の過去2年の論文を網羅的に読み,論文査読をシミュレーションすることで,論文執筆に必要な諸要素(先行研究への適切な言及,論理構成,調査方法の説明,今後の課題等々)を体得する.ついで,英文の専門論文を読み合わせすることで,インターナショナルな水準で学問の現代的課題を共有する.学問領域的には,医療と福祉に関するエスノメソドロジー・会話分析研究の最新成果に関して,学習し,現代社会的視点から医療福祉を調査し,論じることができるように,実力養成に努める.通常の授業場面以外に,多数の学会企画,イベント,研究会企画を紹介するので,なるべく参加すること.
キーワード
福祉社会学,医療社会学,エスノメソドロジー,会話分析,メイナード,ヘリテージ,コミュニケーション
注意
初回(10月1日)にオリエンテーションを行うので,休まないこと.通常の授業のほか,合宿やイベント(たとえば,11月28日(土曜日)午後には,滝坂信一氏の発達障害に関する講演を徳島大学で開催する予定)を多く開催するので,積極的に参加することが望ましい.社会学水曜読書会に参加し,市民の学びというものを理解することはとくに望ましい.10月21日,11月18日,12月16日,2010年1月20日,2月17日の5回が学期中に開催される.
目標
1. | 医療と福祉の社会学を,当該分野の専門雑誌に論文が掲載される水準になることを目標として,速習的に学ぶ. |
計画
1. | ガイダンス.専門論文を書くということ. |
2. | 保健医療社会学論集第18巻1号を読む |
3. | 保健医療社会学論集第18巻2号を読む |
4. | 保健医療社会学論集第19巻1号を読む |
5. | 保健医療社会学論集第19巻2号を読む |
6. | 査読(シミュレーション)をする.理由を付けて評価する. |
7. | 『Communication in Medical Care』(ヘリテージ&メイナード)を読む(その1) |
8. | 『Communication in Medical Care』(院生選択論文)を読む(その2) |
9. | 『Communication in Medical Care』(院生選択論文)を読む(その3) |
10. | 『Communication in Medical Care』(院生選択論文)を読む(その4) |
11. | 『Communication in Medical Care』(院生選択論文)を読む(その5) |
12. | 『Communication in Medical Care』(院生選択論文)を読む(その6) |
13. | ゼミ論発表会(その1) |
14. | ゼミ論発表会(その2) |
15. | ゼミ論発表会(その3) |
16. | ゼミ論合評会 |
評価
出席,平常点,レポートを総合して採点する.
再評価
再評価の予定はない.
教科書
Heritage and Maynard 2006『Communication in Medical Care』Cambridge Univ. Press .
参考資料
好井 裕明・山田 富秋・西阪仰編1999『会話分析への招待』世界思想社.
中西 正司・上野千鶴子『当事者主権』岩波書店.
連絡先
- オフィスアワー: 火曜日14:00から15:00.
備考
発表者は,レジュメを準備してくること.コメンテーターも,A4で1枚のコメントを準備してくること.