2009年度 総合科学教育部 地域科学専攻(博士前期課程) 博士前期課程 基盤科学分野(理系) — [選択] 1年(前期), 2年(前期)

地球科学特論

教授・村田 明広, 教授・石田 啓祐, 准教授・西山 賢一

2単位

目的

固体地球表層の環境変遷をグローバルかつ地球史的な視点から学び,地層や地形に記録された環境履歴やテクトニクスについて考察することで,多様な環境変化や自然災害の地球科学的要因について説明できるようになる.

概要

地球環境に関わる地圏表層の断層・地すべり・褶曲などの地質構造を,地表踏査,反射法地震探査などを用いて解析する手法を学ぶ(村田). 西南日本やアジア東縁の付加-衝突帯を中心に,層序と堆積相,古生物相の解析に基づいて,古海域と陸域の相互作用や環境変遷を学ぶ(石田). 風化過程を,岩石物性の測定に基づいて理解し,斜面の風化帯が豪雨・地震動により削剥されるプロセスについて理解する(西山).

キーワード

活断層,屈曲,デュープレックス,テレーン解析,海洋プレート層序,シーケンス層序,スレーキング,塩類風化,地すべり

目標

1.西南日本の主要な地質構造,西南日本やアジア東縁の付加・衝突帯,斜面の風化帯と削剥に関して説明できる.

計画

1.四国-淡路島の活断層と第四紀テクトニクス(村田)
2.西南日本外帯の北東-南西性横ずれ断層の変位累積過程(村田)
3.西南日本の時計回り回転に伴う屈曲(褶曲)構造(村田)
4.九州-四国の四万十帯のデュープレックスと衝上構造(村田)
5.西南日本の秩父帯の衝上構造と三波川変成作用(村田)
6.環境変遷と層序:プレート運動と層序,海水準変動と層序(石田)
7.西南日本の中・古生代付加体構成と関連堆積相(石田)
8.西南日本外帯付加・沈み込み体の海洋プレート層序と被覆堆積相(石田)
9.アムール川下流域の中生代付加体と前弧海盆堆積相(石田)
10.東南アジア衝突テクトニクス帯と被覆堆積相(石田)
11.岩石の表層風化帯の形成プロセス(西山)
12.スレーキング現象の解析(西山)
13.塩類風化の特徴と地形形成プロセス(西山)
14.表層風化帯で発生する斜面崩壊の特徴(西山)
15.テフロクロノロジーによる地すべりの編年(西山)
16.総括授業

評価

受講の積極性とレポート

再評価

なし.

教科書

狩野謙一・村田明広,1998.「構造地質学」,朝倉書店.

日本の地質増補版編集委員会編,2005.「日本の地質 増補版」,共立出版,

日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会(編),2006,「シーケンス層序と水中火山岩類」,共立出版.

松倉公憲,2008,地形変化の科学-風化と侵食-,朝倉書店.

参考資料

村田明広,1997,1998,「宮崎県地質図および宮崎県の四万十帯の地質」.宮崎県.

四国地方土木地質図編纂委員会(編著),1998,「四国地方土木地質図および同説明書」,内外地図.

連絡先

村田(総合科学部3号館2S03, 088-656-7242, murata@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜日12時00分∼13時00分
石田(総合科学部3号館2階南2S04, 088-656-7243, ishidak@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜日 12時∼13時
西山(総科3号館2S05, 088-656-7239, nisiyama@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜日12時∼13時