2009年度 総合科学教育部 地域科学専攻(博士前期課程) 博士前期課程 基盤科学分野(理系) — [選択] 1年(前期)

物性科学特論B

教授・小山 晋之, 准教授・菅原 仁

2単位

目的

低温で現れる超伝導や磁性等の物性について量子論にもとづいて理解することを目的とする.また,これらの物性研究を行うための低温技術や,あるいは環境科学に関連する新規の性質を持つ物質の合成とその物性の理解を目的とする.

概要

物質は低温で最も安定な状態をとる.つまり物質本来の性質を知るためには低温が必要である.超流動や超伝導現象はまさに低温で初めて明らかとなった現象である.本講義では実験的な側面から低温で現れる様々な物性現象を量子論にもとづいて述べる.極低温技術や実験手法などについて述べ,超伝導物質,新規無機結晶をはじめ環境科学に関連する新規の性質を持つ物質の合成とその物性の理解の現状を紹介する. (共同/全15回) (小山晋之/8回) 低温で現れる様々な物性として主に超伝導と磁性について解説する. (菅原仁/7回) 低温技術や新規物質開発と応用の現状について解説する.

目標

1.低温で現れる超伝導や磁性等の物性について量子論にもとづいて理解することを目的とする.また,これらの物性研究を行うための低温技術や,あるいは環境科学に関連する新規の性質を持つ物質の合成とその物性の理解を目標とする.

計画

1.超伝導と磁性についての紹介(小山晋之)
2.超伝導の実験事実(小山晋之)
3.超伝導転移の熱力学(小山晋之)
4.超伝導の理論的考察(小山晋之)
5.第二種超伝導体と高温超伝導体(小山晋之)
6.物質の低温磁性について(小山晋之)
7.反磁性と常磁性(小山晋之)
8.強磁性と反強磁性(小山晋之)
9.低温技術その1(真空技術と低温)(菅原仁)
10.低温技術その2(低温発生装置の原理)(菅原仁)
11.低温技術その3(超伝導を用いた種々の技術)(菅原仁)
12.新規物質開発と応用の現状その1(強相関電子系)(菅原仁)
13.新規物質開発と応用の現状その2(非従来型超伝導体)(菅原仁)
14.新規物質開発と応用の現状その3(環境問題を解決するための新物質開発)(菅原仁)
15.総括(菅原仁)

評価

授業への取り組み状況,レポート等を総合して評価する.

再評価

なし

教科書

なし

参考資料

必要に応じて適宜紹介・配布する.

連絡先

小山(総合科学部3号館1N07, 088-656-7233, koyama@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
菅原(連絡先未登録)