地球科学特論演習
目的
地球科学の解析に必要な層序・構造・応用地質学的な分野の専門的な手法や,それらの適用範囲について,実際の実験・実習を通じて探求する.付加体の層序・地質構造の特徴や,風化・地すべりの特性について説明できることを目標とする.主なテーマは,付加体の堆積相・微化石層序,構造解析,風化と崩壊などである.
概要
固体地球表層の環境変遷についてグローバルかつ地球史的な視点から学び,地層や地形に記録された環境履歴やテクトニクスについて考察するための,多様な環境変化や自然災害の地球科学的要因についての文献講読と発表・討論を行う.それぞれの担当は下記の通りである. 地球環境に関わる地圏表層の断層・地すべり・褶曲などの地質構造を,地表踏査,反射法地震探査などを用いて解析する手法を扱う(村田).プレート収束域にある西南日本やアジア東縁の付加-衝突帯を中心に,層序や堆積相,古生物相の解析に基づいて,古海域と陸域の相互作用や環境変遷を扱う(石田).地球表層を構成する岩石が水との相互作用によって変化していく過程を,岩石物性の測定に基づいて理解するとともに,斜面を構成する岩石に形成された風化帯が豪雨・地震動により削剥されるプロセスを扱う(西山).
キーワード
地質構造,活断層,断面図,地形図読図法,色彩測定
目標
1. | 西南日本の主要な地質構造,西南日本やアジア東縁の付加・衝突帯,斜面の風化帯と削剥に関して説明できる. |
計画
1. | 微化石による層序解析法と後期古生代∼中生代の微化石層序(石田) |
2. | 西南日本外帯付加複合体のテレーン解析例(石田) |
3. | 韓半島∼外帯の白亜系堆積環境とフォーナ(石田) |
4. | 秩父帯の付加体岩相と海洋プレート層序の野外観察(石田) |
5. | 黒瀬川帯の構成岩類と中生代被覆岩相の層序と堆積環境(石田) |
6. | 空中写真から活断層を抽出する(村田) |
7. | 衛星画像等による褶曲・断層解析(村田) |
8. | 反射法断面図の解析(村田) |
9. | バランス断面図作成法に基づいた断面図の検討手法(村田) |
10. | 地質図から地質構造を判読する手法(村田) |
11. | 地形図を用いた地形解析法(西山) |
12. | 空中写真判読による地形解析法(西山) |
13. | 空中写真判読による地すべりの判読(西山) |
14. | 岩石の色彩測定法(西山) |
15. | 色彩測定に基づく岩石の物性評価(西山) |
評価
授業中に毎回出される課題レポートにより評価する.
再評価
なし.
教科書
日本の地質増補版編集委員会(編),2005,「日本の地質 増補版」,共立出版.
狩野謙一・村田明広,1998,「構造地質学」,朝倉書店.
松倉公憲,2008,地形変化の科学-風化と侵食-,朝倉書店.
参考資料
四国地方土木地質図編纂委員会(編著),1998,「四国地方土木地質図および同解説書」,内外地図
連絡先
- オフィスアワー: 月曜日 12時∼13時
- オフィスアワー: 月曜日12時00分∼13時00分
- オフィスアワー: 月曜日12時∼13時