嚥下・摂食障害学
Eating and Swallowing Disorders
形態
講義
一般目標
摂食・嚥下機能障害に関する基本的事項を理解し,摂食・嚥下リハビリテーションのチームアプローチにおいて歯科衛生士として役割を果たすことができる知識と技能を養う.
授業概要
摂食・嚥下障害についての基本的な事項,摂食・嚥下機能障害の診査,診断,評価法およびリハビリテーションについて学び,講義の中で間接訓練を中心とした演習を一部行う.
授業方法
講義形式(視聴覚素材,プリントを適宜用いる).講義の中で相互実習などの演習を一部行う.
授業場所
3年次前期 木曜2,3時限目 第1講義室
行動目標 (到達目標)
1. | 摂食・嚥下障害とそのリハビリテーションの概要について説明できる. |
2. | 摂食・嚥下に関係する解剖,生理について説明できる. |
3. | 摂食・嚥下のメカニズムについて説明できる. |
4. | 咀嚼運動,咬合について概要を説明できる. |
5. | 摂食・嚥下機能の発達および発達障害について説明できる. |
6. | 摂食・嚥下を発達期以降に引き起こす要因について説明できる. |
7. | 摂食・嚥下障害がもたらす身体への影響について説明できる. |
8. | 摂食・嚥下障害と栄養について説明できる. |
9. | 摂食・嚥下機能の診査診断について説明できる. |
10. | 摂食・嚥下障害に対するチームアプローチについて説明できる. |
11. | 摂食・嚥下機能発達障害への対応について説明できる. |
12. | 摂食・嚥下機能中途障害への対応について説明できる. |
13. | 摂食・嚥下障害に対するリハビリテーションについて説明できる. |
14. | 摂食・嚥下障害に対するリハビリテーションにおける間接訓練についての基本的手技を行うことができる. |
授業計画
回 | 大項目 | 中項目 | 内容 | 担当 | 到達目標 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 概論 | 嚥下・摂食障害学で学ぶこと | 摂食・嚥下障害とは,摂食・嚥下の位置づけ,摂食・嚥下障害がQOLにもたらす影響,社会的影響,歯科衛生士の役割 | 中野 | 1 |
2. | 摂食・嚥下障害の各論 | 摂食・嚥下に関係する解剖 | 解剖学的構造 | 吉田賀 | 2 |
3. | 〃 | 摂食・嚥下のメカニズム | 摂食・嚥下のステージ,呼吸・喉頭の機能との関連 | 中野 | 2,3 |
4. | 〃 | 摂食・嚥下に関わる機能 | 咬合と下顎運動,咀嚼運動 | 〃 | 3,4 |
5. | 〃 | 摂食・嚥下機能の発達及び発達障害 | 吸啜から咀嚼へ,乳幼児期における摂食・嚥下機能の発達障害の原因 | 有田 | 5 |
6. | 〃 | 摂食・嚥下機能の中途障害 | 中途障害として摂食・嚥下機能に障害をもたらす疾患,外科手術に伴う摂食・嚥下機能の障害 | 吉田秀 | 6 |
7. | 〃 | 加齢と摂食・嚥下障害 | 嚥下機能の加齢による変化,高齢者における摂食・嚥下障害に関連する因子 | 羽田 | 〃 |
8. | 〃 | 摂食・嚥下障害と栄養 | 栄養アセスメント,誤嚥と嚥下食,栄養実態,経管栄養 | 吉岡 | 7,8 |
9. | 〃 | 摂食・嚥下障害と誤嚥性肺炎 | 誤嚥性肺炎とは, 実態, 誤嚥性肺炎の予防,口腔ケア | 〃 | 6,7 |
10. | 摂食・嚥下障害の実際 | 摂食嚥下機能の診査,検査,診断,評価 | 観察,問診,触診,神経学的検査 | 戸原 | 1,3,7,9 |
11. | 〃 | 〃 | スクリーニング法(簡単な実習を含む) | 〃 | 〃 |
12. | 〃 | 〃 | VF( videofluorography) | 〃 | 3,9 |
13. | 〃 | 摂食・嚥下障害リハビリテーション | VE( videoendoscopy) | 〃 | 〃 |
14. | 〃 | 〃 | リハビリテーションの概念,チームアプローチ,関連する職種 | 〃 | 1,7,10,13 |
15. | 〃 | 〃 | 摂食·嚥下リハビリテーション訓練開始前の準備,摂食嚥下評価開始前に必要な歯科治療,口腔ケア | 吉岡 | 1,11,12,13 |
16. | 〃 | 〃 | 摂食・嚥下訓練法におけるリスクマネージメント(ハイリスク患者), 誤嚥窒息への対応,吸引 | 高石 | 1,7,13 |
17. | 〃 | 〃 | 嚥下の直接訓練法.嚥下食,安全姿勢,食器器具,嚥下法の選択,呼吸咳痰訓練 | 吉岡 | 1,3,13 |
18. | 〃 | 〃 | 摂食·嚥下とMFT,MFTの運動生理学的検証(咀嚼筋酸素動態および頭頚部血流への影響) | 星野 | 1,2,14 |
19. | 〃 | 〃 | 歯科衛生士が行う摂食·嚥下の間接訓練法, 口唇舌顔面の運動 ,アイスマッサージ | 中道 | 1,3,13,14 |
20. | 〃 | 摂食・嚥下機能発達障害への対応 | 診断と機能訓練法(授乳,離乳支援) | 有田 | 5,11,13 |
21. | 〃 | 摂食・嚥下機能の中途障害への対応 | 脳血管障害 | 中野,その他 | 9,12,13 |
22. | 〃 | 〃 | 脳血管障害慢性期 ,補綴治療の特徴,PAP,PLP | 羽田 | 〃 |
23. | 〃 | 〃 | 外科手術後 | 吉田秀 | 〃 |
24. | 〃 | 摂食・嚥下機能減退(高齢者)への対応 | 診断,治療,リハビリテーション,指導管理 | 羽田 | 〃 |
25. | 〃 | 間接訓練(相互演習) | 診査,スクリーニング | 中野,吉岡,中道,星野,松本 | 1,13,14 |
26. | 〃 | 〃 | 摂食・嚥下機能訓練1 | 〃 | 〃 |
27. | 〃 | 〃 | 摂食・嚥下機能訓練2 | 〃 | 〃 |
28. | 特別講義 | 現場から(ST) | 摂食・嚥下障害リハの実際 | 中野,その他 | 1,10,13 |
29. | 〃 | 現場から(看護) | 口から食べることの大切さ | 〃 | 1,7,13 |
30. | 総括 | 総合討議 | この講義で学んだこと | 中野 | 1~13 |
成績評価の方法
筆記試験を行い,成績が100点満点で60点以上のものを合格とする.
再試験
必要に応じて行う.
教科書,参考書
摂食・嚥下障害の理解とケア 向井美惠,鎌倉やよい 編 株式会社学習研究社(Gakken)
参考資料
摂食・嚥下リハビリテーション,第2版,才藤栄一,向井美惠 監修,医歯薬出版,2007
訪問歯科診療で始める摂食,嚥下障害へのアプローチ,植松宏 監修/戸原玄 他編著,医歯薬出版,2007
摂食・嚥下障害の評価法と食事指導,金子芳洋,向井美惠,医歯薬出版,2001
動画でわかる摂食・嚥下リハビリテーション 第1版 第12刷,藤島一郎,柴本勇 監修,中山書店,2008
訪問で行う摂食・嚥下リハビリテーションのチームアプローチ,戸原玄 編集,全日本病院出版界,2007
WEBページ
連絡先
中野(6F 口腔保健学科第2研究室, 088-633-7963, nakano@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
吉田(633-7354, yosihide@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 月~金 17:00~18:00 6F 口腔保健学科 第2研究室
羽田(hada@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 月~金 17:00~18:00 6F 口腔保健学科 第1研究室
吉岡(088-633-7543, masami@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 月~金 17:00~18:00 6F 口腔保健学科 第4研究室
有田(088-633-7359, kenji@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 月~金(出向日を除く) 17:00~18:00 3F 小児歯科 助講室
吉田(088-6337322, kaya@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 月~金 17:00~18:00 6F 口腔保健学科 第1研究室
高石(088-633-7367, takaisi@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
星野(088-633-7898, star-dh-hoshino7@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 月~金 17:00~18:00 6F 口腔保健学科 第3研究室
松本(088-633-7898, naokom@dent.tokusima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 月~金 17:00~18:00 6F 口腔保健学科 第3研究室