2009年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(後期)

生活と社会 / 異なる社会を知ろう-ラテンアメリカ文化社会論-

Living and Society / Latin American Cultures and Societies

平成19年度以前の授業科目:『生活と社会』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『生活と社会 / 異なる社会を知ろう-ラテンアメリカ文化社会論-』

非常勤講師・稲井 由美

2単位

 水(3・4) 全(全)

授業のタイプ

講義

授業の目的

情報化社会に生きているとはいっても,我々が日々目にするラテンアメリカの情報は圧倒的に量が少なく,またメディアで流れる情報の種類は限られている.本講義では,中米・南米それぞれの具体的事象を紹介しながら,日頃ふれることの少ないラテンアメリカの社会について理解を深めてもらうことを目的とする.これを通じて,知らないことを知るという楽しみと同時に,これまでと違う,``地球の反対側''からの視線で我々が生きる世界を見直してみるということを体験してもらう.

授業の概要

おもに,中米・グァテマラ,南米・チリの具体的事象を中心に,生活・文化・社会活動・政治経済などラテンアメリカ現代社会の様相を,その歴史的背景も掘り下げながら見ていく.写真やビデオを多く用いて,人々が暮らすにおいが伝わるような講義としたい.

キーワード

多民族・多文化社会,貧困と開発,グローバリゼーション

受講者へのメッセージ

遠い国のことでも,案外身近な,今の自分の問題につながっている.ラテンアメリカに関心がある人はもちろん,ほとんど知らないという人の受講も歓迎する.ただし,聞くだけでなく,自分もそこに旅に出かけるつもりで積極的に情報収集し考えることを期待する.

到達目標

1.陽気なダンスやサッカー以外の,人々が暮らす社会としてのラテンアメリカに興味を持ってもらう.
2.異なる社会を知り,その背景を理解しようとする目を養ってもらう.
3.彼の地を知ることにより,己の社会を新たな視線でとらえ返すという姿勢を身に付けてもらう.

授業の計画

1.オリエンテーション
2.-中米・グァテマラの事例から- ①知っていますか? グァテマラコーヒーの向こう側
3.②20以上の言語,村ごとに違う民族衣装
4.③密告:内戦の傷あと
5.④開発とNGO
6.⑤マヤ先住民族社会と国民国家:二つの社会システム
7.-南米・チリの事例から-①ホントは深い日本との関係:資源大国チリ
8.②大統領も踊るクエッカ:独立記念日とチリ人のアイデンティティ
9.③もう一つの9.11:軍政の記憶と社会的遺産
10.④南米の優等生チリの「新しい貧困」
11.-地域としてのラテンアメリカ-①アルマス広場から見える風景:歴史・文化の多様性と共通性
12.②軍政,抵抗運動,貧困と開発援助
13.④多民族・多文化社会と国民国家統合
14.⑤世界の先端?:グローバル化と新自由主義的社会再編,それに抗する動き
15.期末テスト(レポート)
16.総括授業

成績評価の方法

出席,授業毎のミニ・レポート,期末のレポートを総合的に見て評価する. (詳しくは初回に説明)

再試験の有無

教科書

使用しない.授業ごとにレジュメ等の資料を配布する.

参考書

講義に沿って随時紹介する.

連絡先

稲井(連絡先未登録)
オフィスアワー: [メール:inai99@aol.com]メールにて連絡・相談を受け付ける.